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essay_manabi51_Hanawa2010springのコンテキスト表示

タイトル 地球温暖化に直面する人類
Title Chikyuuondanka ni chokumen suru jinrui
筆者 花輪公雄
author Hanawa, Kimio
年/year 2010
出典 東北大学広報誌『まなびの杜』51
source Toohokudaigaku koohooshi Manabinomori 51
genre essay
subcorpus Academic Essay


 1シリーズ ◎ 地球温暖化 の 将来 1
 2地球温暖化 に 直面 する 人類
 3花輪公雄 ◎ 文 text by Kimio Hanawa
 4地球温暖化 とは
 5地球温暖化 とは 、 大気中 に 「 温室効果気体 」 が 増える こと による 、 地表面 より 高さ 約十 キロメートル まで の 対流圏 の 気温上昇 の こと を 言い ます 。
 6温室効果気体 とは 、 地表面 が 放射 し て いる 赤外線 を 吸収 し 、 再び 四方 へ と 赤外線 を 放射 する 気体 の こと です 。
 7水蒸気 、 二酸化炭素 ( CO2 ) 、 一酸化二窒素 、 メタン 、 フロンガス など が この 仲間 です 。
 8大気中 に 温室効果気体 が ある と 、 地表面 に 再び 熱 ( 赤外線 ) が 戻っ て 来 ます ので 、 地表面 が より 暖まり 、 結果 として 対流圏 の 大気 の 気温 が 上昇 し ます ( 図 参照 ) 。
 9また 、 空気 は よく 混じり ます ので 、 温暖化 は 全地球的(グローバル)現象 と なり ます 。
 10一方 、 この 機構 で 対流圏 が 暖まる とき は 、 成層圏 ( 対流圏 より の 上 、 高さ 約五〇 キロメートル まで の 層 ) の 気温 は 逆 に 下がり ます 。
 11実際 、 地表面気温 の 上昇 、 成層圏気温 の 下降 が 観察 さ れ て い ます 。
 12図 ) 過去 150 年間 の 地表面気温 の 変化 ( 横軸 は 年 、 縦軸 は 気温 ) 。
 13黒 の 点 は 年平均値 、 濃い 青色 の 線 は 変化 を 滑らか に し た もの で 、 薄い 青色 の 帯 は その 「 確からしさ 」 が 90 % の 範囲 。
 14図中 の 直線群 は 、 その 直線 の 長さ の 期間 で 元 の 変動 を 直線近似 し た もの 。
 15最近 の 期間 に なれ ば なる ほど 、 直線 の 傾き が 立っ て いる こと 、 すなわち 気温 が 急上昇 し て いる こと を 示す 。
 16IPCC(2007)評価報告書 より
 17地球温暖化 の 認識
 18一八九六 年 、 スウェーデン の 化学者 S.アレニウス は 、 石炭 や 石油 の 消費 が 進め ば 、 CO2 が 増え て 地球表層 は 暖まっ て いく だろう と 、 地球温暖化 を 理論的 に 予言 する 論文 を 書き まし た 。
 19一九五〇 年代 半ば に なる と 、 米国 の 研究者たち は 実際 に 大気中 の CO2濃度 の 計測 を 始め まし た 。
 20彼ら は 、 計測開始 から 間もなく 、 CO2濃度 は 確実 に 増加 し て いる こと を 示し まし た 。
 21そして 、 二〇〇七 年 、 国連 の 一 機関 で ある 「 気候変動に関する政府間パネル ( IPCC ) 」 は 、 「 人為起源 の 温室効果気体 により 、 二〇 世紀 半ば 以降 の 世界平均気温 の 上昇 の ほとんど が もたらさ れ た 可能性 が 非常 に 高い 」 と 、 公表 し まし た 。
 22IPCC で は 、 この 「 可能性 が 非常 に 高い 」 という 表現 を 、 九〇~九五 % の 「 確からしさ 」 を もつ とき に 使用 し て い ます 。
 23アレニウス が 予言 し た 地球温暖化 が 、 百 年 余り の とき を 経 て 、 九〇~九五 % の 確率 で 人為的要因 による もの 、 と 認識 さ れ た の です 。
 24IPCC評価報告書 と 懐疑論者
 25IPCC に は 多数 の 研究者 が 参加 し て い ます 。
 26執筆者 は 五〇〇 名 程度 です が 、 執筆 に 協力 し たり 、 原稿 を チェック(査読) し たり する 人たち も 加え ます と 、 数千 名 の 人たち が 関与 し て い ます 。
 27評価報告書 は 、 長い 時間 を かけ て 慎重 な 検討 の 結果 として 公表 さ れ た もの です 。
 28しかし 、 IPCC の 結論 に 異議 を 唱える 「 懐疑論者 」 と 呼ば れ て いる 人たち も い ます 。
 29彼ら は 、 疑義 は 提出 し て いる の です が 、 観察 さ れ て いる 多く の 現象 に対する 合理的 な 説明 を 提出 し て は い ない こと は 残念 です 。
 30もちろん 、 IPCC の 結論 も まず は 疑っ て かかる 、 という 態度 は 間違い で は あり ませ ん し 、 常に その よう な 意識 を 持つ こと も 大切 です 。
 31地球温暖化 の 研究 は 決して 終わっ た わけ で は あり ませ ん 。
 32本学 に は 多く の 地球温暖化 に関する 研究 を 行っ て いる 人たち が おり ます ので 、 さらなる 貢献 を 期待 し たい もの です 。
 33地球温暖化 の 抑制 に向け
 34進行 し つつ ある 地球温暖化 は 人類 の 生存 にとって 阻害要因 で ある 、 との 立場 に 立て ば 、 地球温暖化防止 の ため に 行動 を 起こす 必要 が あり ます 。
 35身の回り から の 活動 ( ボトムアップ ) と 、 社会システム を 変える 活動 ( トップダウン ) 、 双方 の アプローチ が 必要 です 。
 36私 自身 は 、 「 今 こそ 、 化石燃料 を 大量 に 消費 する 現代文明 を 見直す べき だ 」 と 考え て い ます 。
 37花輪公雄 ( はなわきみお )
 381952 年 生まれ
 39現職 / 東北大学大学院理学研究科教授
 40研究科長 ・ 学部長
 41専門 / 海洋物理学 、 大規模大気海洋相互作用
 42http://www.pol.gp.tohoku.ac.jp/~hanawa/