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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/07/11
source:K201407110A0T20XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2/ 北海道新聞社 と 共催 釧路むすび塾 ( 2 )
 3全国編 @ 北海道・釧路市大楽毛地区 < 上 >
 4/ カケアガレ 、 課題 は
 5むすび塾 は 、 町内会役員ら 7 人 が 、 「 カケアガレ!日本 」 の 訓練 や 、 東日本大震災 で 被災 し た 東北学院大 4 年 の 渡辺英莉さん ( 22 ) 、 東北電機製造 ( 多賀城市 ) 社長 の 椎井一意さん ( 64 ) 、 石巻地区消防本部主査 の 野田和好さん ( 45 ) の 体験談 など を 基 に 、 地域 の 備え について 話し合っ た 。
 6減災・復興支援機構 ( 東京 ) の 宮下加奈専務理事 、 東北大災害科学国際研究所 の 安倍祥助手 も 議論 に 加わり 、 住民ら 約30 人 が 話 に 耳 を 傾け た 。
 7◎ 道路 に 雪 、 冬場 は 危険
 8/ 国道 や 線路 、 横断困難
 9カケアガレ について は 、 スムーズ な 訓練 を 評価 する 声 が 上がっ た 一方 、 道路 が 雪 に 覆わ れる 冬場 の 対応 や 、 遠方 へ の 徒歩避難 、 車 で 国道 や 線路 を 横断 する 避難路 が 3 カ所 しか ない こと に 不安 を 訴える 声 が 相次い だ 。
 10大楽毛地区連合町内会長 の 中村啓さん ( 76 ) は 「 信号 が 停電 で 止まっ て しまう よう な 非常時 、 車 が 走っ て いる 国道 を 横断 できる の か が 大きな 問題 だ 」 と 述べ た 。
 11実際 に 東日本大震災 で は 、 国道 38 号 は 高台 が ある 北西方向 に 逃げる 車 で 混雑 し た 。
 12機構 の 木村拓郎理事長 は 、 緊急時 の 特別ルール を 行政 や 民間業者 で 決め 、 住民 の 横断路 を 確保 する 方法 を 提案 。
 13一方 で 、 渋滞緩和策 として 「 震災 で は 片側 1 車線 で 内陸 から 海 へ 向かう 道路 は すい て い た との 証言 も ある 。 内陸 へ の 一方通行 に すれ ば 2 台 通れる 」 と 述べ た 。
 14今後 の 訓練 について 、 安倍助手 は 「 実際 は いろいろ な 方向 から 車 が 進入 し 、 進路 を 邪魔 する かも しれ ない 。 車 が 通れ ない 道 を 設ける など 、 想定 に 変化 を つけ て ほしい 」 と 求め た 。
 15徒歩 の 避難 について も 課題 が 挙がっ た 。
 16訓練 で 車いす を 押し た 南町内会婦人部長 の 島谷まき子さん ( 64 ) は 「 冬場 は 足元 が 悪く なる から 、 車いす は 使え ない 。 道路 も 除雪 が 行き届か ず 、 幅 が 狭い 場所 も ある 」 と 問題提起 し た 。
 17避難先 の 中 で 最も 内陸部 に あり 、 約3 キロ 離れ た 北海道鶴野支援学校 まで は 30 分 近く かかっ た ため 「 限ら れ た 時間 内 に 、 歩い て 逃げる の は 厳しい 」 と 話す 住民 も い た 。
 18震災後 、 ばらばら に 逃げる 「 津波てんでんこ 」 が 注目 さ れ て いる 。
 19住民 から は 「 隣 の 人 を 置き去り に し て 自分 だけ 逃げ られ ない 」 「 要援護者 の 中 に は 訓練 すら 遠慮 する 人 も いる 」 と 戸惑い の 声 が 上がっ た 。
 20「 少し でも 早く 避難行動 を 始めれ ば 、 共助 の 時間 を つくれる 」 と 安倍助手 。
 21宮下専務理事 は 「 介助 が 必要 な 高齢者ら と 普段 から 話し合い 、 遠慮 の ない 関係 を 築く こと が 大切 だ 」 と 助言 し た 。
 22◎ 避難完了目標 30 分 以内
 23/ 車いす 、 未舗装路 に 苦戦
 24/ 長距離 、 高齢者 歩け ない
 25津波避難訓練 「 カケアガレ!日本 」 に は 、 海 に 近い 4 町内会 の 住民 31 人 が 参加 し た 。
 267 グループ に 分かれ 、 30 分 以内 の 避難完了 を 目標 に 乗用車 や 徒歩 、 車いす で 避難先 を 目指し た 。
 27訓練 は 、 午後 0 時 50 分 に 北海道太平洋沖 を 震源 と する 巨大地震 が 発生 、 午後 1 時 に 大津波警報 が 発令 さ れ 、 釧路市沿岸部 に は 30 分後 に 10 メートル の 巨大津波 が 到達 する と 想定 し た 。
 28南町内会 の 女性 4 人 グループ は 要援護者 を 連れ 、 車 と 徒歩 を 組み合わせ た 2度逃げ に 臨ん だ 。
 29一行 は 避難開始 直後 、 2 分 ほど かけ て 車いす を 車 に 積み込ん だ 後 、 約2 キロ 離れ た 王子マテリア釧路工場独身寮 に 向け て 移動 を 始め た 。
 30国道 38 号 で 渋滞 が 発生 し た と 想定 し 、 JR根室線 の 踏切 で 降車 。
 31車いす に 要援護者 を 乗せ て 、 徒歩 に 切り替え た 。
 32国道 38 号 で は 赤信号 で 1 分 ほど 足止め を 余儀なくされ た 。
 33横断 し た 後 は 、 未舗装 の 歩道 、 大きな 段差 や 芝生 を 車いす で 進ん だ 。
 34独身寮 に 着い た の は 、 出発 から 18 分後 。
 35町内会婦人部長 の 島谷まき子さん ( 64 ) は 「 舗装 さ れ て ない 道 や 芝 の 上 で 、 車いす を 押す の は 大変 だっ た 。 日中 な ので 段差 を 避け た が 、 暗い 中 で 避難 し たら 気付か ない まま 転倒 し た かも しれ ない 」 と 振り返っ た 。
 36要援護者 や 高齢者 を 除き 、 ほとんど の 住民 が 、 4 階 建て の 独身寮 屋上 へ 階段 を 上っ た 。
 37建物内 に は 矢印 で 屋上 へ の 経路 が 表示 さ れ 、 従業員 が 誘導 に 当たっ た 。
 38別 の 男女 の グループ 4 人 は 、 約3 キロ 離れ た 北海道鶴野支援学校 に 徒歩 で 向かっ た 。
 39女性 の 一人 は 途中 の 独身寮 で 歩く の を やめ 、 列 から 離れ た 。
 40残る 3 人 は 、 目標ぎりぎり の 29 分 50 秒 で 同校 に 到着 し た 。
 41町内会長 の 向後芳昭さん ( 74 ) は 、 同校 に たどり着く なり 、 地べた に 座り込ん だ 。
 42「 普段 ウオーキング し て いる が 、 3 キロ を 歩い て 避難 する の は 体力的 に 厳しい 。
 43高齢者 の 足 で は もっと 大変 だろう 」 と 話し た 。
 44◎ むすび塾 に 参加 し て
 45/ 北海道・釧路市大楽毛地区
 46< 第1町内会長・堀耕一さん ( 89 ) >
 47大楽毛地区 で は 海岸 から 20~30 メートル の 場所 に 家 を 構える 住民 も いる が 、 現状 で は 津波 へ の 危機感 や 避難 へ の 理解 は 高まっ て い ない 。
 48避難場所 へ の 経路 を 記憶 し たり 、 混雑 する 幹線道路 の 特徴 を 知っ たり する こと は 重要 。
 49「 むすび塾 」 で 学ん だ 知識 を 町内会 の 危機管理 に 生かし たい 。
 50< 南町内会長・向後芳昭さん ( 74 ) >
 51町内会 の 住民 の うち 2 割強 が 70 歳 以上 の 高齢者 で 、 足腰 の 弱い 人 が 多い 。
 52避難 する よう 説得 し て 家 から 連れ出し て も 、 車 で なけれ ば 逃げ られ ない 。
 53むすび塾 で 防災対策 を 諦め ない こと が 大事 との 助言 を 得 た 。
 54高齢化 が 進む 地域 で 支え合う 態勢 を どう 守る の か 、 考え 続け なけれ ば なら ない 。
 55< 南町内会婦人部長 ・ 島谷まき子さん ( 64 ) >
 56東日本大震災 の 日 、 釧路市 で も 津波 が 川 を さかのぼっ た が 、 近所 で 誰 も 逃げ なかっ た 。
 57それ を 見 て 私 も 逃げ なかっ た 。
 58震災後 、 地域 の お年寄り の 家 を 確認 し 、 毎月 、 声掛け し て いる 。
 59顔見知り に なっ て いる と 避難 で も 役立つ 。
 60危機感 を 持っ て 暮らす の は 疲れる が 、 勉強 し ながら 防災 に 臨み たい 。
 61< 南町内会防災交通部長 ・ 吉田妙子さん ( 61 ) >
 62大楽毛地区 に は 高い 建物 が なく 、 線路 や 国道 を 横断 する 避難 は 時間 を 要する 。
 63釧路市 に 要望 し て いる 避難タワー の 建設 が 進ま なけれ ば 「 諦める 」 と 言う お年寄り も いる 。
 64ただし タワー の 整備 に は 時間 が かかる 。
 65まず は 内陸避難 を 目 の 前 の 課題 と し て 取り組も う と 、 町内会 の 人たち に 伝え たい 。
 66◎ 車 の 避難経路 、 複数用意 を
 67/ 東北大災害科学国際研究所助手 安倍祥さん
 68地震発生 から 40 分後 の 津波 を 想定 し た 訓練 は 、 総じて スムーズ だっ た 。
 69ただし 、 今回 は 避難手段 や 経路 を 準備 し た 状態 で 始まっ た 。
 70実際 は 夜間 や 冬季 に 地震 が 起き たり 、 幹線道路 で 渋滞 が 発生 し たり 、 思わ ぬ 事態 が 起こり うる 。
 71今後 は 、 避難 を 妨げる いろいろ な 要素 を 、 訓練 の たび に 取り入れ 、 改善 する 必要 が ある 。
 72大楽毛 の よう に 高い 建物 の ない 平野部 で は 、 車 の 避難経路 を いく つ か 用意 し て おく こと も 大切 だろう 。
 73要援護者 の いる 世帯 の 把握 や 訓練 へ の 参加 は 、 各地 で 課題 と なっ て いる 。
 74要援護者本人 が 無理 な 場合 は 、 家族 が 訓練 に 参加 する だけ でも 備え に つながる 。
 75「 津波てんでんこ 」 の 考え が 東日本大震災後 に 全国 に 広がる 一方 、 自身 の 避難 と 共助 の 兼ね合い に 悩む 人 も 多い と 聞く 。
 76津波警報 が 発表 さ れる よう に なり 、 昔 よりも 早く 情報 が 得 られる 。
 77その 分 の 時間 を 、 地域 で 声 を 掛け合っ たり 要援護者 を 助け に 行っ たり する 共助 に 活用 し 、 最終段階 で 逃げる という の が 、 現代 の 「 てんでんこ 」 で は ない だろう か 。
 78みなさん に は 、 限りある 時間 で 助け合い 、 命 を 守る すべ を さまざま な 視点 で 考え て ほしい 。