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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/06/14
source:K201406140A0T10XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1岩手・宮城内陸地震発生 から 6 年
 2/ 土石流被害 、 全国 で 相次ぐ
 3/ 地震起因型 、 予測 は 困難
 4岩手・宮城内陸地震 は 14 日 で 発生 から 6 年 と なる 。
 52008 年 6 月 14 日 朝 、 マグニチュード(M) 7.2 の 地震 が 発生 し 、 激震 が 栗駒山麓 を 襲っ た 。
 6各所 で 大規模 な 土石流 や 土砂崩れ を 誘発 、 23 人 が 犠牲 に なっ た 。
 7昨年 は 豪雨 など により 、 東京都・伊豆大島 や 仙北市 田沢湖 など で 土砂災害 が 相次い だ 。
 8気候変動 による 災害 の 大規模化 が 懸念 さ れる 中 、 土砂災害 へ の 備え は どう ある べき な の か 。
 9発生 の メカニズム や 対策 を 考える 。
 10「 まさか 土石流 が 襲っ て くる と は 思っ て も み なかっ た 。
 11破壊力 は 半端 で は なく 、 あっという間 の 出来事 だっ た 」
 12岩手・宮城内陸地震 で 、 7 人 が 亡くなっ た 栗原市 栗駒 耕英 の 旅館 「 駒の湯温泉 」 。
 13奇跡的 に 助かっ た 経営者 の 菅原昭夫さん ( 58 ) は 、 大惨事 から 6 年 経過 し た 今 も 、 その 時 の 様子 を 克明 に 覚え て いる 。
 14地震発生 当時 、 菅原さん は 旅館本館 の 事務室 に い た 。
 15激しい 揺れ が 収束 し た 直後 、 離れ に い た 宿泊客 の 叫び声 で 、 栗駒山 山頂付近 で 土石流 が 発生 し て 旅館 に 迫っ て くる こと を 知っ た 。
 16反射的 に 本館 奥 の 洗濯室 へ 逃げ込ん だ が 、 建物ごと 押しつぶさ れ た 。
 17建物 の 動き が 止まっ た の を 機 に 外 へ 出 て 残っ て い た 2 階 部分 に 飛びつい た 。
 18建物 は 本来 の 場所 から 50 メートル も 動き 、 約150 度 回転 し て い た 。
 19土石流 は 、 起因 する 自然現象 によって 大きく 二 つ に 分け られる 。
 20一 つ は 降雨 、 もう 一 つ は 地震 による もの だ 。
 21降雨 によって 引き起こさ れる 土石流 の 特徴 は ( 1 ) 土砂 が 大量 の 水 を 含ん で いる ため スピード が 速い ( 2 ) 被害 は 降雨エリア に 限定 さ れる ため 比較的 小規模 ( 3 ) 天気予報 など で ある 程度 予測 が 可能 で 、 避難 する 時間的 余裕 が ある - の 3 点 。
 22一方 、 地震 によって 発生 する ケース は ( 1 ) 降雨 の 場合 に比べ スピード が 遅い ( 2 ) 被害 は 広範囲 かつ 大規模 ( 3 ) 地震 の 直後 に 発生 する ため 避難 する 時間的 余裕 が ない - という 特徴 が ある 。
 23地震起因型 の 場合 、 予測 は ほとんど 不可能 だ 。
 241970 年 、 南米ペルー で 発生 し た アンカシュ地震 による 土石流 で は 、 2万5000 人 以上 が 死亡 する 大惨事 を 引き起こし て いる 。
 25駒の湯温泉 の 場合 、 発生 し た 土石流 は 、 平均速度 毎秒 9.8 メートル で 約4.8 キロ の 沢 を 下り 、 約8 分後 に は 旅館近く に 到達 、 対岸 の 崩落 によって 向き を 変え 本館 を 襲っ た 。
 26雪解け時期 と 重なり 、 土砂 が 大量 の 水 を 含ん で い た こと で 、 大規模 な 上 に 流れ が 速かっ た 。
 27東北大大学院工学研究科 の 風間基樹教授 ( 地盤工学・地震工学 ) は 「 行政 が 作る 防災マップ を 参考 に し つつ も 、 普段 から 地域 の 地形的 特性 を 把握 し て 、 非常時 の 対策 を 考える 必要 が ある 」 と 指摘 する 。
 28< 土石流 > 土砂 が 雨水 や 地下水 と 混合 し て 、 河川・渓流 など を 流下 する 現象 の こと 。
 29「 山津波 」 と も いう 。
 30集中豪雨 や 大規模地震 によって 引き起こさ れ 、 近年 で は 、 東京都・伊豆大島 や 仙北市 田沢湖 など で 、 大きな 被害 を もたらし て いる 。
 31沢 を 下っ て き た 土石流 は 対岸 の 崩落 によって 向き を 変え 、 旅館 を 襲っ た 。
 32沢 の 下流 など に は 砂防ダム が 整備 さ れ た
 33◎ 警戒区域指定
 34/ 東北 4 県 わずか 20 % 前後
 35土石流 や 急傾斜地崩落 の 危険性 の ある 地域 を 都道府県 が 「 土砂災害警戒区域 」 に 指定 する 作業 が 、 東北 で 進ん で い ない 。
 36東日本大震災 の 復興対応 による 自治体職員 の 不足 や 作業量 の 多さ など が 背景 に ある 。
 37過去 5 年 の 指定 の 累積件数推移 は グラフ の 通り 。
 38岩手 、 宮城 、 福島 は 大震災 直後 から 2011 年 は 横ばい と なり 、 12 年 から わずか に 伸びる 。
 39指定 の 目安 と なる 危険箇所 を 分母 と し た 4 月末 現在 の 指定割合 ( 表 ) は 青森 、 山形 を 除く 4 県 が 20 % 前後 に とどまる 。
 40宮城県 は 、 危険箇所 を 人家 の 数 や 公共施設 の 近さ など で ランク付け し 、 優先順位 の 高い 箇所 から 作業 を 進める 。
 41だが 「 沿岸部 は 復興 で 手いっぱい 」 ( 防災砂防課 ) 。
 42現在 は 内陸 を 中心 に 指定 を 急ぐ 。
 43指定 に伴い 市町村 に は ハザードマップ作成 など が 求め られる 。
 44内陸地震 の 被災地 の 指定割合 は 栗原市 ( 22 % ) 一関市 ( 11 % ) 湯沢市 ( 23 % ) など 。
 45「 作業量 の 多さ など で 、 詳細 な マップ の 作成 は なかなか 進ま ない の が 現状 」 ( 湯沢市 ) と いう 。
 46指定 に は 住民 に 危険箇所 を 把握 し 、 避難 に 役立て て もらう 狙い が ある 。
 47開発行為 の 一部制限 など を 伴う が 、 住民 の 関心 は 高く ない 。
 48行政 は 6 月 の 土砂災害防止月間 など を通じ PR に 力 を 入れる 。
 49◎ 東北大大学院工学研究科 風間基樹教授 に 聞く
 50/ 地形 で 危険性 判断 でき ず
 51岩手・宮城内陸地震 は 同時多発的 に 土砂災害 を 引き起こし 、 多く の 人 が 犠牲 に なっ た 。
 52何 度 も 被災現場 で 土砂 の 動き など を 調べ た 東北大大学院工学研究科 の 風間基樹教授 に 土砂災害 の 特性 や 対策 を 聞い た 。
 53- 内陸地震 とは どういう 災害 だっ た か 。
 54「 火山帯山地 で 起こっ た 地震災害 。
 55火山 の 多い 日本 で は 火山地域 で の 地震 が 多く 発生 し て き た 。
 56地震 に伴い 、 土石流 や 地滑り が 発生 し た 。
 57通常 の 大雨 による もの より 動き が 速かっ た 」
 58「 土砂崩れ によって 道路 が ふさが れ 、 集落 が 孤立 し た こと も 特徴 の 一 つ だ 。
 59当時 、 現場 に 入ろ う に も 、 簡単 に アクセス でき なかっ た 。
 60重機 も 入れ ず 、 川 を せき止め た 土砂 を 取り除け ない 所 も あっ た 」
 61- 土砂災害 とは どのような 災害 で 、 危険地帯 は どんな ところ か 。
 62「 主な 土砂災害 に は 土石流 、 地滑り 、 土砂崩れ が ある 。
 63地震 、 豪雨 など 原因 が 異なれ ば 、 土砂 の 流れる 速さ や 規模 が 変わっ て くる 」
 64「 地滑りマップ の よう に 、 地形 だけ で 危険 か 安全 か を 判断 する の は 難しい 。
 65急傾斜 だ から 危ない と は 限ら ない 。
 66岩盤 で 硬い から 切り立つ 場所 も あれ ば 、 もろい ため なだらか に なっ た 地形 も ある 。
 67周辺 の 水 の 流れ 、 地層 の 傾き方 など を 総合的 に 見極め なけれ ば なら ない 」
 68- リスク 低減 の 方策 は 。
 69「 地盤 や 地層 の 特性 を 個人レベル で 把握 する こと は 難しい 。
 70古く から の 集落 は 災害 が なく 、 安全 な ところ に 立地 し て いる と は 言える だろう 」
 71「 人口減少社会 の 中 、 公共資金 で 山地 に ( 少数 の 住民 に向けた ) ハード対策 を する の は 限界 が ある 。
 72公共サービス を 継続 する 上 で 、 地域 を コンパクト化 する こと が 必要 な の かも しれ ない 。
 73特に 過疎地 で は 、 災害時 に 孤立 する 集落 を 減らし 、 避難 が 必要 な 住民 を 少なく する 努力 が 求め られる の で は ない か 」
 74- 2013 年 の 東京 の 伊豆大島 や 仙北市 の 田沢湖 など の よう に 降雨 による 土砂災害 が 近年 頻発 し て いる 。
 75「 一般的 に 言う と 累積雨量 が 200 ミリ 以上 降る と 危険度 は 上がる 。
 7611 年 の 紀伊半島豪雨 など 、 最近 は 1000 ミリ 以上 の 雨 も ある 。
 77経験 し た こと の ない 集中豪雨 で これ まで 崩れ て い なかっ た 箇所 が 壊れ 、 甚大 な 災害 に なる 場合 が ある 」
 78< かざま・もとき > 東北大工学部 卒 。
 79運輸省 ( 現 国土交通省 ) 入り 。
 80港湾技術研究所 主任研究官 など を 経 て 、 94 年 に 東北大工学部 助教授 。
 8100 年 4 月 から 現職 。
 82専門 は 地盤工学・地震工学 。
 8355 歳 。
 84山梨県 出身 。