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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/02/11
source:K201402110A0T30XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2◎ 考える
 3/ むすび塾 から 発展 、 仙台・荒巻 で マップ作り
 4/ 備え 、 高齢者見守り の 二 役
 5避難所 や 協力店 記す
 6仙台市青葉区 の 荒巻地区 の 住民 を 中心 に 組織 し た 「 荒巻安心タウン構築委員会 」 が 、 冊子 「 荒巻安心・安全タウンマップ 」 を 作成 し た 。
 7防災 と 認知症 の 対策 を 一 冊 に まとめ 、 備え と 高齢者 の 見守り の 相乗効果 を 狙っ た 画期的 な マップ で 、 住民 や 商店 、 各種 施設 に 配布 し た 。
 8委員たち は 「 地域 の 安全 安心 は 、 自分たち で 守ろ う 」 を 合言葉 に 、 活用 を 呼び掛け て いる 。
 9同地区 で は 2012 年 12 月 、 河北新報社 の 防災ワークショップ「むすび塾」 が 開か れ た 。
 10町内会役員 、 民生委員 、 学校関係者 ら が 集まっ て 要援護者 の 避難 を テーマ に 議論 し た 。
 11小松洋吉東北福祉大教授 が アドバイザー として 参加 し 、 その 後 の 活動 に も 助言 し た 。
 12完成 し た マップ は 、 A4サイズ で 全 14 ページ 。
 13右 から 開く と 防災マップ 、 左 から 開く と 高齢者見守り の マップ と なる よう に デザイン し た 。
 14防災マップ の 作成 は 、 東西 に 長い 荒巻地区 を 三 つ の 地区 に 分割 し 、 担当者 が 街歩き する ところ から 始め た 。
 15指定避難所 、 福祉避難所 をはじめ 、 食料品店 や ガソリンスタンド など 、 災害時 に 必要 な 施設 を 確認 し 、 地図上 に 記し た 。
 16高齢者見守りマップ は 、 認知症 に なっ て も 、 住み慣れ た 荒巻 で 生活 できる よう な ネットワークづくり を 目指す 。
 17地域 の 商店 、 理美容院 、 病院 に対して 高齢者 の 声掛け を 依頼 し た 。
 18協力施設 に は 「 安心タウンステッカー 」 を 貼り 、 地域 の 福祉資源 として 、 高齢者 や 住民 に 知っ て もらう 。
 19地図 に は 自動体外式除細動器 ( AED ) の 設置場所 や 緊急時 の 連絡先 を 記載 。
 20体 を 動かし て 足腰 の 機能低下 を 防ぐ 活動 を し て いる 介護予防サークル も 紹介 し て いる 。
 21委員会 は 、 荒巻地区町内会連合会 や 葉山地域包括支援センター 、 荒巻地区社会福祉協議会 など 13 団体 で 、 2012 年 8 月 に 結成 し た 。
 22マップ作り は 10 月 に 着手 。
 23地域 の 防災資源 の 調査 と 編集会議 を 重ね 、 昨年 12 月 に 完成 し た 。
 24既に 町内会 を通して 住民 、 店舗 、 各種 団体 に 約6000 部 を 配っ た 。
 25委員会メンバー に は 、 むすび塾 の 参加者 が 多い 。
 26荒巻地区社会福祉協議会長 の 土田健さん ( 71 ) は 「 むすび塾 で さまざま な 立場 の 住民 が 一堂 に 会し て 議論 し た こと を きっかけ に 、 一体感 が 生まれ た ほか 、 マップ作り の 方向性 も 決まっ た 。 活動 を 継続 し 、 お年寄り をはじめ 、 住民 が 住み 続け たい と 思う 街 に し たい 」 と 意気込む 。
 27< 街 を 歩い て 呼び掛け >
 28荒巻安心タウン構築委員会 は 今後 、 「 荒巻安心タウン推進委員会 」 に 改称 し 、 地域 の 人々 の 行動 を 促し て いく 。
 29委員会 の メンバー は 1 月中 に 、 地域 の 店舗 や 病院 など 約100 カ所 を 回り 「 同じ 事 を 何 度 も 言っ たり 聞い たり する 」 「 道 に 迷い 、 何 度 も 行き来 する 」 など 、 認知症 の 特徴 を 挙げ ながら 、 見守り に 協力 を 呼び掛け た 。
 30訪問先 で は 「 安心タウンステッカー 」 の 活用 や 、 マップ を 店頭 に 置く こと も 依頼 。
 31ステッカー を 掲示 する 店舗 や 事業者 は 少し ずつ 増え て いる 。
 32既に マップ を 読ん だ お年寄り から 、 掲載 さ れ た 介護予防サークル に 問い合わせ が あっ た と いう 。
 33葉山地域包括センター の 早坂忠基さん ( 39 ) は 「 防災 から 高齢者福祉 まで の 幅広い 要素 を 取り入れ た マップ の メリット が 生かさ れ て いる 。 要援護者 の 避難 に も 、 効果 が 出 て くる の で は ない か 」 と 期待 する 。
 34< 東北福祉大教授 ・ 小松洋吉さん に 聞く
 35/ 住民連携 の 過程 に 意義 >
 36完成 し た マップ から は 、 学校 や 町内会 、 福祉施設 が 連携 し て 、 地域 の 安心 を 守ろ う という 目的意識 が 読み取れる 。
 37各地 で 要援護者 の 避難 が 課題 に なっ て いる が 、 防災 と 高齢者 の 見守り を 表裏一体 に し た 構成 は 、 他地域 の 模範 に なる だろう 。
 38要援護者支援 の 協力店舗 や 井戸 の 場所 など 、 住民 の 目線 で 必要 な 情報 が 記載 さ れ 、 実用性 も 高い 。
 39デザイン面 で も 、 住民 の 心 を つかむ よう な 図解 や 文章 を ちりばめ 「 生き た マップ 」 に 仕上がっ て いる 。
 40マップ の でき 以上 に 、 住民 が 街歩き を し ながら 自ら 考え 、 作成 し た こと に 意義 が ある 。
 41連携 する 13 団体 の 多様 な 視点 も 反映 さ れ た 。
 42苦労 が あっ た と 思う が 、 その プロセス こそ が 地域課題 の 共有 や 、 結束力 の 強化 に つながる 。
 43一連 の 活動 は 、 意欲 ある 住民 を むすび塾 が 後押し し た 成果 で も ある 。
 44荒巻地区 に は 、 学生 が 多く 住ん で いる 。
 45今回 の 取り組み を 契機 に 、 地区 の 若い 世代 と の 交流 を 促進 し 、 災害 に 強い 街 を 育て て ほしい 。
 46◎ 探る
 47/ 東北大助教 地引泰人さん
 48/ 防災分野 の 国際協力
 49/ ルール確立 、 調整 が 課題
 50日本 のみ なら ず 、 世界中 の いろいろ な 場所 で 自然災害 による 被害 で 苦しん で いる 人々 が いる 。
 51この 問題 は 、 近年 にわか に 注目 さ れ た わけ で は なく 、 第1次世界大戦 が 終わっ た ころ から 国際的 に 大きな 関心事 だっ た 。
 52各国 が 協力 し ながら 、 事前 に 対策 を 講じ て 自然災害 の 被害 を 減らそ う と し たり 、 被災後 に は 迅速 に 支援 し たり する こと が 大事 だ と 考え られる よう に なっ た 。
 53個々 の 国 や 国際機関 が ばらばら に 動い て い て は 、 これら の 目的 を 達成 する の は 難しい 。
 54実現 に は 共通 の ルール を 決め て 、 国 や 国際機関 が ルール に 基づい て 行動 する こと が 重要 で ある 。
 55ただし 、 「 共通 の ルール 」 を 決める こと 自体 が 非常 に 難しい 。
 56その 大きな 理由 に 、 世界中 に は 多く の 国 が あり 、 国ごと に 独自 の 考え方 、 法律 、 習慣 が ある ため 、 特定 の 国 や 機関 が ルール を 強制 する こと が でき ない という 事情 が ある 。
 57特に 開発途上国 は 、 経済的 に 豊か な 先進国 に比べて 、 防災 の ため に 使える 予算 に 限り が あっ たり 、 先進国 と 同様 の 行政能力 は 期待 でき なかっ たり する 点 も 見過ごせ ない 。
 58例えば 、 日本 で は 建物 の 建築基準 が 厳格 に 実施 さ れ て いる 。
 59しかし 、 開発途上国 の 多く は 、 建築基準 自体 は 存在 する ものの 、 基準 の 厳格 な 実施 や 、 基準 を 順守 し ない 場合 の 罰則 が 徹底 さ れ て い ない こと が 少なく ない 。
 60この よう な 困難 な 状況 で ある から こそ 、 各国 政府 や 国際機関 が 知恵 を 出し合う こと が 求め られ て いる 。
 61その ため の 重要 な 機会 が 、 国連防災世界会議 だ 。
 62第3 回 会議 は 2015 年 3 月 に 、 仙台 で 開催 さ れる 。
 63会議 の 目的 は 、 15 年 以降 に 防災 の 分野 において 、 どのような 国際協力 が 必要 か という 共通 の ルール や 目標 を 、 各国 や 関連機関 が お互い に 確認 し 合う こと で ある 。
 64共通 の ルール を つくる 過程 で は 、 交渉 と 説得 が 行わ れる 。
 65ある ルール の 受け入れ と 、 資金 の 提供 や 技術支援 を 取引 する ケース も ある 。
 66私 は 、 被災国 が 国連機関 や NGO など から 人道支援 を 受ける 際 、 さまざま な 思惑 が 交錯 する 中 で 、 当事者間 の 利害 が 一致 に 至る メカニズム を 研究 し て いる 。
 67国連防災世界会議 も 研究対象 の 一 つ に なる 。
 68世界中 の 国々 や 人々 が 防災対策 を どのように 進め て き た の か という 歴史的経緯 を 明らか に し ながら 、 どのような 調整 を 行え ば 、 防災 の 取り組み に関する 国際的 な 共通ルール を 確立 できる の か という 点 の 解明 を 進め たい 。
 69< ぢびき・やすひと > 東大大学院博士課程修了 ( 学際情報学 ) 。
 70東京都出身 。
 71日本学術振興会特別研究員 、 東大大学院情報学環付属総合防災情報研究センター特任助教 を 経 て 、 13 年 10 月 から 東北大災害科学国際研究所助教 。
 72専門 は 国際政治学 。
 7333 歳 。
 74◎ 伝える 2011 ・ 3 ・ 11
 75/ バス で 誘導 、 お年寄り の 安全確保 ( 東松島市 )
 76事前 に 決め た 役割 生きる
 77東松島市宮戸 の 月浜 で 民宿 を 経営 し て い た 鈴木一男さん ( 65 ) は 、 大きな 揺れ の 後 、 地域 の お年寄り を 送迎バス に 乗せ た 。
 78大津波 は 避難所 に 向かう バス に 迫っ た 。
 79宮城県漁協宮戸西部支所 で 打ち合わせ を し て い た 時 、 強い 揺れ に 襲わ れ まし た 。
 80宮戸小 に 通っ て いる 孫 3 人 が 下校 する 時間帯 です 。
 81心配 に なり 、 軽トラック で 月浜 の 民宿兼自宅 を 目指し まし た 。
 82孫たち は まだ 帰っ て い ませ ん でし た 。
 83再び 車 を 出し 、 1 キロ ほど 離れ た 学校 に 到着 する と 、 孫 も 含め て 児童たち は 校庭 に 集まっ て い まし た 。
 84先生 は 「 学校 は 避難場所 な ので 、 子ども は 帰し ませ ん 」 と 言い まし た 。
 85一安心 し て 月浜 に 戻り まし た 。
 86一時避難場所 の 駐車場 に は 、 50~60 人 が 集まっ て い まし た 。
 87地域 の 人たち は お年寄り の 避難 を 手助け し たり 、 互い に 声掛け し たり し て 避難 し た の です 。
 88みんな 寒 そう だっ た ので 、 私 は 民宿 の 30 人 乗り の バス を 持っ て き て 、 暖房 を 効か せ 、 お年寄り 25 人 を 乗せ まし た 。
 89その 直後 、 バス の テレビ が 「 女川 に 6 メートル の 津波 」 と 報じ まし た 。
 90みんな で 宮戸小 に 避難 する こと に し まし た 。
 91ハンドル に 集中 し て 、 とにかく 急ぎ まし た 。
 92校庭 に 続く 坂 の 入り口 は 、 鋭角 な ヘアピンカーブ に なっ て い ます 。
 93普段 は 何 回 か ハンドル を 切り直す の です が 、 この とき は 後輪 を 縁石 に 乗り上げ ながら も 、 1 回 で 曲がる こと が でき まし た 。
 94坂 を 上り 、 校庭 に 着い た 時 です 。
 95真っ黒 な 濁流 が 、 さっき まで 走っ て い た 道路 や 周囲 の 田んぼ を のみ込み まし た 。
 96家 や 車 が 流さ れ 、 電柱 も 倒さ れ まし た 。
 97同居 する 長男 と 長男 の 嫁 は 、 いったん 学校 に 避難 し た 後 、 毛布 を 取り に 民宿 に 戻っ た まま 帰っ て き ませ ん でし た 。
 98心配 に なっ て 、 水 が 引い た 夕方 に 歩い て 集落 に 戻り 、 2人 の 無事 を 確認 し まし た 。
 99民宿 で 津波 に 襲わ れ 、 屋根 に 逃げ た そう です 。
 100民宿 は 、 集落 で 最も 内陸側 に あり まし た が 、 鉄骨 を 残し て 全壊 し まし た 。
 1011960 年 の チリ地震 で は 、 津波 が 民宿 まで き ませ ん でし た 。
 102あらためて 、 今回 の 津波 の 大きさ に 驚き まし た 。
 103月浜 の ほとんど の 住宅 が 全壊 し まし た が 、 住民 174 人 は 全員 無事 でし た 。
 104震災前 、 東北大災害科学国際研究所 の 今村文彦教授 の 指導 を 受け ながら 、 避難場所 や 避難路 を 確認 し 、 お年寄り の 誘導 の 役割分担 を 決め まし た 。
 105震災 で は 地域 全体 で 危機感 を 持ち 、 備え て い た こと が 役立ち まし た 。
 106児童 の 引き渡し を し なかっ た 学校 の 判断 に も 救わ れ まし た 。
 107民宿 は 、 月浜 の 別 の 場所 で 再建中 です 。
 108ことし 夏 に 、 営業 を 再開 する 予定 です 。
 109◎ 現場 から
 110< 学校 と 自衛隊 、 合同 で 訓練
 111/ 秋田県金足農業高防災担当教諭 渡会諭さん ( 33 ) >
 112学校 は 秋田市 が 災害時 の 避難所 に 指定 し て おり 、 地域住民 680 人 を 受け入れる こと に なっ て い ます 。
 113避難所運営 を 手伝う とき に 備え 、 教職員 と 生徒 が 昨年末 に 初めて 、 陸上自衛隊秋田駐屯地 の 協力 を 得 て 、 炊き出し訓練 を し まし た 。
 114学校 の 玄関前 で 、 自衛隊員 が 野外炊事車 で ご飯 を 炊き 、 3 年生 が カレー を 作っ て 、 200 食 を 地域 の 人 に 振る舞い まし た 。
 115生徒たち に は 、 避難所 で 自分 に 何 が できる の か を 考える 良い 機会 に なっ た よう です 。
 116学校 が 地域 にとって 、 災害時 の よりどころ と なれる よう 、 これ から も 、 気象台 や 消防 など 外部 と 連携 し た 訓練 を 計画 し て いき たい です 。
 117< 消防団員確保 へ 出前講座
 118/ 宮城県消防課長 高橋伸夫さん ( 58 ) >
 119市町村 と 一緒 に 若い 消防団員 を 確保 する 取り組み を 進め て い ます 。
 120東日本大震災 の 影響 で 2 年間 中断 し て い た 「 みやぎ消防出前講座 」 を 本年度 から 復活 さ せ 、 県内 の 大学 で 消防団 の 役割 を 学生 に PR し て い ます 。
 121震災時 の 避難誘導 や 行方不明者 の 捜索 など を通じ 、 地域 を よく 知る 消防団員 の 重要さ が 再認識 さ れ まし た 。
 122ただ 、 高齢化 の 進行 に加え 、 津波 で 犠牲 に なっ た 団員 も 多く 、 5 年間 で 1144 人 減り 、 どの 市町村 で も 定員 を 満たし て い ませ ん 。
 123次 の 災害 から 県民 の 命 と 財産 を 確実 に 守る ため 、 早急 に 定員 を 確保 し 、 消防職員 とともに 消防 、 防災 の 両輪 を 担っ て もらお う と 思い ます 。