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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/04/11
source:K201404110A0T30XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2◎ 考える
 3/ 災害対応ゲーム 「 クロスロード 」 を 試し て み よう
 4/ 仙台 で 勉強会
 5迫ら れる 判断 、 頭脳 も 訓練
 6自然災害 が 発生 し た 時 、 人 は ジレンマ を 伴う 重大 な 決断 を 迫ら れる 。
 7それ を ゲーム形式 で 疑似体験 できる の が 、 災害対応カードゲーム 「 クロスロード 」 だ 。
 8防災訓練 の 一環 として 学校 、 自治体 、 職場 で 取り組ま れ て いる 。
 9新年度 が 始まっ た 。
 10新しい 仲間 と 難しい 状況判断 を 体験 し 、 災害対応力 を 高め て み て は いかが 。
 11仙台市 の 職員 が 中心 と なっ て 運営 する 自主勉強会 「 TeamSendai 」 の メンバー が 先月 、 市役所 で 災害対応カードゲーム 「 クロスロード 」 の 実習 に 取り組ん だ 。
 12宮城県内外 の 自治体職員 や 企業 の 防災担当者 ら 40 人 が 参加 。
 135 人 一 組 に 分かれ 、 宮城野消防署予防課 の 太田千尋主幹 の 指導 を 受け ながら 、 ゲーム を 進め た 。
 14「 避難所 に 愛犬 を 連れ て 行く か 」 など の 災害時 に 想定 さ れる 課題 に対し 、 参加者 は 「 YES 」 「 NO 」 の カード で 自ら の 考え を 決め た 後 、 意見 を 交わし ながら 、 より 良い 解決方法 を 探っ た 。
 15参加者 の アンケート に は 、 過去 に 経験 の ある 人 から 「 メンバー が 変わる と 答え も 変わっ た 」 、 初めて の 人 から 「 こんな に 多様 な 意見 が ある と は 思わ なかっ た 」 など の 回答 が 寄せ られ た 。
 16太田主幹 は 「 ゲーム を通して 、 異なる 考え の 人たち で 社会 が 成り立つ こと や 、 反対意見 の 人 に 配慮 し ながら 選択 する こと が 大事 だ と 学ん だ よう だ 」 と 話し て いる 。
 17横浜市 から 参加 し た 渋谷昭子保育対策課長 は 「 関東 で 巨大 な 地震 が あっ たら 、 備え て い なかっ た こと に 後悔 する 。 学ん だ こと を 横浜 に 持ち帰り 、 防災 に 生かし たい 」 と 話し た 。
 18< 設問 に 「 正解 」 なし
 19/ 異なる 意見 や 価値観 学ぶ >
 20クロスロード は 「 別れ道 」 を 意味 し 、 そこ から 転じ て 重大 な 決定 を 指す 。
 21現在 、 ゲーム は 「 神戸編・一般編 」 と 、 姉妹編 の 「 市民編 」 「 災害ボランティア編 」 が 販売 さ れ て いる 。
 22神戸編・一般編 は 、 1995 年 の 阪神大震災 で 、 災害対応 に 当たっ た 神戸市職員 へ の インタビュー を 基 に 作ら れ た 。
 23トランプ大 の カード に 次 の よう な 設問 が 記さ れ て いる 。
 24「 避難所 に は 3000 人 が 避難 し て いる 。
 25現時点 で 確保 でき た 食料 は 2000 食 。
 26以降 の 見通し は 今 の ところ なし 。
 27まず 2000 食 を 配る ? 」
 28他 は 「 庁舎 の 一部 が 自然発生的 に 避難所 に なり 、 被災者 で あふれ て いる 。 しかし 、 庁舎 は 本来 、 指定避難所 で は ない 。 出 て 行っ て もらう ? 」 「 激震 によって 庁舎 は 全壊状態 に 。 しかし 、 災害対応 の 必要書類 は 庁舎内 に しか ない 。 立ち入り禁止命令 を 無視 し て 書類 を 取り に 行く ? 」 など 。
 29いずれ も 、 神戸市職員 が 直面 し た ジレンマ が モデル に なっ て いる 。
 30遊び方 は まず 、 数々 の 難問 について 、 多数派 を 予想 し ながら 自分 の 意見 を 「 YES 」 「 NO 」 の カード を 裏返し に 出す 。
 31一斉 に カード を 表 に し て 、 多数派 は 青座布団 ( カード ) を 、 1人 だけ 異なる 意見 の 人 は 金座布団 ( カード ) を 獲得 する 。
 32その 後 、 参加者 が 判断 の 根拠 を 説明 し 、 賛否 について 意見 を 交換 する 。
 33各設問 に 正解 は 用意 さ れ て い ない 。
 34災害対応 を わが こと として 考え 、 さまざま な 価値観 に 気付い たり 、 合意形成 の スキル を 磨い たり する こと に 主眼 を 置い て いる ため だ 。
 35自治体職員 と 住民 が 一緒 に ゲーム を 行う と 、 事前 に 地域 の 防災 ・ 減災 の 課題 を 共有 する 効果 も 期待 できる 。
 36税込み価格 は 、 神戸編・一般編 、 市民編 、 災害ボランティア編 の いずれ も 20 人 用 7200 円 、 5 人 用 2057 円 。
 37連絡先 は 京大生協ブックセンタールネ 075(771)7336 。
 38< 京大防災研究所 ・ 矢守克也教授 に 聞く
 39/ 「 想定外 」 こそ 防災力向上 の 鍵 >
 40クロスロード に 込め た 思い と 、 災害対応力 を 上げる こつ について 、 開発者 の 矢守克也京大防災研究所教授 に 聞い た 。
 41「 クロスロード の 特徴 は 何 です か 」 と 尋ね られ た とき 、 必ず 答え て いる こと が 二 つ ある 。
 42第1 は 、 正解 が ない 教材 だ という こと 、 第2 は 原則 として 、 実話 が 基 に なっ て いる こと 。
 43災害現場 で は 、 あらかじめ 定め られ た 正解 ( マニュアル ) 通り に こと が 運ば ない ケース が 多い 。
 44むしろ 、 その 時 その 場 で 、 みんな で 正解 を つくる こと が 大切 に なる 。
 45プレー する 人 が 自分 の 「 想定外 」 に 気付く こと を 目標 の 一 つ と し て いる 。
 46自分 で は 絶対 の 確信 を 持っ た 選択 で あっ て も 、 プレー し て みる と 「 そんな 考え も ある の ? 」 「 そんな 人 も いる の ? 」 と 驚く ケース が 多々 ある 。
 47この 驚き は 、 自分 にとって の 「 想定外 」 に対する 驚き で ある 。
 48これ こそ が 、 自分 が 見逃し て い た 点 で あり 、 防災力アップ の 鍵 と なる ポイント で ある 。
 49だから 、 できるだけ 多種多様 な 人 が 寄り集まっ て プレー する の が 望ましい 。
 50◎ 探る
 51/ 東北大助手 福谷陽さん
 52/ 津波ハザードマップ 、 不確かさ を 数値化
 53評価 の 信頼性 明示
 54東北地方太平洋沖地震 ( 東日本大震災 ) 発生以降 、 地震 の 教訓 を 生かそ う と 、 多く の 研究機関 で 津波ハザード ( 危険度 ) に関する 研究 が 活発 に なっ て いる 。
 55国 や 地方自治体 で も 、 津波ハザードマップ の 見直し が 盛ん に 行わ れ て いる 。
 56津波ハザード は 一般的 に 、 津波 の 規模 と 発生頻度 の 関係 で 捉え られる 。
 57津波ハザードマップ は 、 それら の 情報 を 基 に 作成 さ れる 。
 58しかし 、 ハザードマップ に 示さ れる 浸水範囲 は 、 数多く の 不確か な 要素 が 含ま れ て いる ため 、 十分 注意 する 必要 が ある 。
 59残念 ながら 現在 の 科学 で は 、 どの くらい の 規模 の 地震 が 、 どれ くらい の 頻度 で 発生 する か という こと を 正確 に 予測 する こと は 困難 で あり 、 不確かさ が 大きい 。
 60その 他 、 津波 の 伝播 ( でんぱ ) 、 津波 の 遡上 ( そじょう ) の 各段階 で も 不確かさ が 存在 する 。
 61これら 多く の 不確定要素 が ある にもかかわらず 、 たった 一 つ の ケース として 津波 の 浸水範囲 を 示し た の が 、 津波ハザードマップ で ある 。
 62私たち の 研究グループ で は 、 この よう な 津波ハザード評価 に 含ま れる 不確かさ の 度合い を 、 津波 の 数値計算 を 用い た 物理学的手法 と 、 計算結果 を 確率的 に 処理 する 統計的手法 を 用い て 、 数値化 する 研究 を 進め て いる 。
 63不確かさ を 数値化 する こと で 、 評価 に どの 程度 信頼性 が ある の か 、 または ない の か 、 という こと を 具体的 に 明示 し たい と 考え て いる 。
 64その 結果 を 基 に 、 不確かさ を 地図上 に 可視化 する 試み も 始め て いる 。
 65現在 、 損害保険会社 から の 寄付 を 受け て 研究 を 進め て いる 。
 66不確かさ の 数値化 は 、 リスク に 応じ た 適切 な 保険商品 の 提供 に も つながる 。
 67政府 の 地震調査研究推進本部 で も 2013 年 に 津波評価部会 を 設け 、 不確かさ を 加味 し た 手法 を 用い て 、 津波ハザード を 評価 し 始め た 。
 68ハザードマップ を 見る 際 は 、 示さ れ た 浸水範囲 を うのみ に する の で は なく 、 どのような 基準 で 作成 さ れ た の か 、 どのような 不確かさ が 考え られる の か 、 把握 に 努める べき だろう 。
 69また 、 ハザードマップ を 作成 する 側 は 、 それら を 分かり やすく 示す 必要 が ある 。
 70ハザードマップ を 活用 する に は 、 この よう な 情報 の 不確かさ が ある こと を 知っ た 上 で 、 防災活動 に どのように 生かせる の か 、 地域 の 特性 など を 踏まえ 、 個別具体的 に 考え て いく 姿勢 が 求め られる 。
 71< ふくたに・よう > 東大大学院博士前期課程修了 。
 72損保系コンサルティング会社 研究員 、 主任研究員 を 経 て 、 12 年 4 月 から 東北大災害科学国際研究所助手 。
 73専門 は 自然災害リスク評価 。
 7431 歳 。
 75滋賀県出身 。
 76◎ 伝える 2011 ・ 3 ・ 11
 77炊き出し準備 、 高台避難後 に 自宅 に 戻る ( 宮城県七ケ浜町 )
 78/ 激流 、 がれき に 救わ れる
 79宮城県七ケ浜町 の 郷土料理研究家 星初枝さん ( 79 ) は 本震 の 後 、 高台 の 避難所 に 逃げ た 。
 80大勢 の 人 が 避難所 で 一夜 を 過ごす こと を 思い 、 炊き出し準備 の ため 、 海 の 近く の 自宅 に 戻っ た 。
 81夢メッセみやぎ ( 仙台市宮城野区 ) で 開か れ て い た イベント に 参加 し て い て 、 地震 に 襲わ れ まし た 。
 82揺れ が 収まり 、 車 に 乗る と ラジオ が 「 仙台港 で 10 メートル の 津波 」 と 放送 し て い まし た 。
 83車 で 自宅 に 着い た 時 、 夫 は い ませ ん でし た 。
 84近所 の 人 に 夫 は 松ケ浜小 に 避難 し た と 聞き 、 早速 移動 し 、 無事 を 確認 し まし た 。
 85学校 に は たくさん の 避難者 が い まし た 。
 86炊き出し の 準備 を し よう と 思い 、 100 人 分 の アルファ米 や 大鍋 を 取り に 、 自宅 に 戻り まし た 。
 87地域 の 避難訓練 で 炊き出し係 を し て い た こと も あっ て 、 ラジオ で 聞い た 津波警報 が すっかり 頭 から 飛ん で しまっ た の です 。
 88自宅 に 戻っ て しばらくすると 、 きしむ よう な 音 を 聞き まし た 。
 89窓 の 外 を 白い もの が うねり ながら 、 通り過ぎ まし た 。
 90すぐ に 、 戸 の 隙間 から 水 が 入っ て き まし た 。
 91津波 だ と 思い まし た 。
 92部屋 から 出 た 瞬間 、 山 の よう な 水 の 塊 に のま れ て しまい まし た 。
 93水 の 上 に 顔 を 出し 、 立ち泳ぎ を し ながら 呼吸 を し まし た 。
 94重い 何 か が 頭 に ぶつかり 、 水 の 中 に 沈み まし た 。
 95「 死ん で い られ ない 、 母さん 助け て 」 と 祈り ながら 、 洗濯機 の 中 の よう な 水流 に まか れ 、 意識 を 失い まし た 。
 96気が付く と 、 がれき に 囲ま れ ながら も 息 が できる 状態 でし た 。
 97何とか がれき の 上 に 出 よう と 、 木材 に 足 を かけ たら 、 くぎ を 踏み抜い て しまい 、 激痛 に 身 が 縮み まし た 。
 98近く に 畳 2 畳 ほど の 床板 が あり まし た 。
 99胸 よりも 高い 位置 でし た が 、 全身 の 力 を 振り絞っ て 、 はい上がり まし た 。
 100周囲 を 見る と 、 自宅 が あっ た 場所 から 、 300 メートル ほど 流さ れ て い まし た 。
 10140 軒 ほど あっ た 住宅 が なくなり 、 以前 だっ たら 建物 で 遮ら れる はず の 海 が 見え まし た 。
 102海 と は 反対 の 高台 の 道路 に は 、 避難 し た 人たち が い まし た 。
 103「 誰 か 助け て 」 。
 104自分 で も 驚く ほど 大きな 声 が 出 まし た 。
 105しばらく し て 、 若者 2人 が 助け に 来 まし た 。
 1061人 は 松ケ浜小 で 顔 を 合わせ て い まし た 。
 107「 どうして ここ に いる の 」 と 驚か れ た の を 覚え て い ます 。
 108震災発生 の 半 年後 に 体調 が 悪化 し 、 お風呂 も 水 が 迫っ て くる よう な 気 が し て 入れ ませ ん でし た 。
 109積極的 に 人 と 話し 、 料理 で 喜ば せる こと で 自分 を 保ち まし た 。
 110被災体験 を 話す 機会 が ある たび に 、 高台 に 避難 し た 後 は 戻ら ない こと と 、 万が一 、 津波 に のま れ て も 、 決して 諦め ない こと を 訴え て い ます 。
 111◎ 現場 から
 112< 漁船 に 避難勧告 、
 113体制 整う
 114/ 青森海上保安部次長 谷田一夫さん ( 59 ) >
 115青森海保 の 入る 青森港湾合同庁舎 は 、 1 次 避難所 に は 指定 さ れ て い ませ ん 。
 116しかし 、 東日本大震災 を 契機 に 、 災害時 に 周辺住民 が 避難 し て くる こと を 想定 し 、 1 週間 分 の 食料 と 水 、 約100 枚 の 毛布 を 完備 し まし た 。
 117自家発電機 と 軽油 約100 リットル も 常備 し 、 地域 の 避難所 として 利用 できる よう に し て い ます 。
 118震災後 、 青森地方気象台 から 津波情報 を 早期 に 受ける 体制 を つくり まし た 。
 119海 に 出 て いる 漁船 など に 即時 に 避難勧告 を 出す ため です 。
 120震災 の 教訓 を 生かし たい と 考え て 始め た 取り組み です 。
 121今後 は 、 県 や 漁連 など 関係機関 と の 連携 を 深め 、 さらなる 防災対策 を 進め たい です 。
 122< 訓練 重ね て 体 で 覚え よう
 123/ 登米市迫町鉄砲丁区親交会会長 沢口良夫さん ( 79 ) >
 1242000 年 から 毎年 11 月 、 地区 に ある 運動公園 で 防災訓練 を 行っ て い ます 。
 125通報 や 初期消火 、 炊き出し など が 中心 で 、 毎年 100 人 以上 が 参加 し ます 。
 126子どもら も 楽しん で 参加 できる よう 、 訓練 に 併せ て バーベキュー を し たり 、 参加者 に 景品 を 配っ たり し ます 。
 127東日本大震災 の 直後 は 非常招集 を かけ 、 発生後 約20 分 で 約20 人 の 住民 が 、 訓練 の 開催場所 で 指定避難所 が ある 運動公園 に 集まり まし た 。
 128食材 の 確保 や 炊き出し など を 冷静 に でき まし た 。
 129訓練 の 成果 と 言える でしょう 。
 130普段 から 住民 同士 が 意思疎通 を 図り 、 訓練 を 重ね て 同じ こと を 繰り返し 、 体 で 覚える こと が 大事 です 。