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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/05/11
source:K201405110A0T30XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2◎ 考える
 3/ ペット同行避難 、 飼い主 と 自治体 に 求め られる 備え
 4/ 日頃 から 、 しつけ や 訓練
 5東日本大震災 を 教訓 に 環境省 は 昨年 、 犬 や 猫 の ペット と 飼い主 は 一緒 に 避難 する 「 同行避難 」 を 原則 と し 、 地方自治体 に 態勢整備 を 促す 「 災害時におけるペットの救護対策ガイドライン ( 指針 ) 」 を 作成 し た 。
 6同行避難 の 実現 に は 、 自治体 だけ で なく 、 飼い主 に も 日頃 の 備え が 求め られる 。
 7< 環境省 が 指針 >
 8災害時におけるペットの救護対策ガイドライン は 、 平時 と 災害発生時 に 分け 、 飼い主 と 自治体 が 行う べき 対策 = 表 = を 例示 し て いる 。
 9飼い主 に は ( 1 ) ペット の しつけ と 健康管理 ( 2 ) 迷子 に なら ない ため の 対策 ( 3 ) ペット と の 同行避難 - を 促す 。
 10自治体 に は ( 1 ) 同行避難 も 含め た 避難訓練 ( 2 ) 避難所 、 仮設住宅 における ペット受け入れ の 調整 ( 3 ) 現地動物救護本部 の 設置 - など を 求め て いる 。
 11国 が 、 指針 に 同行避難 を 盛り込ん だ 背景 に は 、 東日本大震災 で の 数々 の 教訓 が ある 。
 12環境省動物愛護管理室 によると 、 震災 で は 被災者 と ペット の 生活空間 を 分け た 避難所 が あっ た 一方 で 、 同行避難 し て も 鳴き声 や アレルギー など を 理由 に 受け入れ が 認め られ なかっ た ケース も あっ た 。
 13家 に 置い た ペット と 離別 し た 飼い主 が 精神的 な ダメージ を 負っ たり 、 飼い主 と はぐれ た ペット の 保護 に 多く の 労力 が 割か れ たり する など 、 同行避難 し ない こと の 弊害 も 浮き彫り に なっ た 。
 14田口本光室長補佐 は 「 一緒 に 避難 すれ ば 、 存在 が 励み と なり 、 飼い主 の 生活再建 を 後押し する 。 同行避難 を 前提 に 、 飼い主 と 自治体 が それぞれ 、 事前 の 備え を 進め て ほしい 」 と 話す 。
 15< 怖がる 愛犬 を ケージ へ
 16/ 強制禁物 おやつ で 誘導 >
 17同行避難 の キーワード の 一 つ が 、 クレートトレーニング 。
 18日頃 から ケージ ( おり ) に 入れ て 、 しつけ を する こと を 指す 。
 19動物 の 防災 に 取り組む NPO法人 エーキューブ ( 仙台市 ) 理事 の 後藤美佐さん ( 48 ) と 、 愛犬 ペルル に トレーニング を 実演 し て もらっ た 。
 20「 最初 は ケージ が 怖く て 入れ ない 犬 も いる 。 慌て ず 、 時間 を かけ て 安心 できる 場所 だ と 理解 さ せ て ほしい 」 と 後藤さん は 呼び掛ける 。
 21誘導策 の 一 つ として 、 ケージ に 愛着 の ある 敷物 や 大好き な おやつ を 置く 。
 22中 に 入っ て おやつ を 食べる ペルル 。
 23食べ 終わっ たら ケージ から 出す が 、 外 で は おやつ を あげ ない 。
 24中 で だけ もらえる こと が 分かれ ば 、 ケージ が 好き に なる 。
 25ケージ の 出入り口 に は 扉 が ある 。
 26ペルル は 扉 が 閉まっ て も 平気 だ が 、 閉め られる こと や 、 閉まる 時 の 音 を 嫌がる 犬 も いる 。
 27「 慣れる まで 、 扉 を 外し て 練習 する の が お勧め 。 中 に 入る まで 時間 が かかっ たら 、 しばらく 時間 を おい て 閉める と 良い 」 と 話す 。
 28やっ て は いけ ない の が 、 犬 を ケージ に 押し込む こと 。
 29無理強い さ れる と 、 嫌い な 場所 に なり かね ない 。
 30一 度 、 ケージ に 入る こと を 覚え て も 、 継続 し ない と 身に付か ない と いう 。
 31「 クレートトレーニング に限らず 、 しつけ は 続ける こと が 大事 だ 」 と アドバイス する 。
 32< 仙台市獣医師会副会長 ・ 小野裕之さん に 聞く
 33/ 避難所 と ルール 確認 を >
 34ペット と 一緒 に 避難 する ため に 、 飼い主 は どのような 準備 が 必要 な の か 。
 35同行避難 の 普及啓発 に 取り組む 仙台市獣医師会 の 小野裕之副会長 に 聞い た 。
 36まず ポイント に なる の が しつけ 。
 37避難所 で は 鳴き声 が 問題 に なる ため 、 ケージ に 入っ て 、 おとなしい 状態 を 保てる よう に する 。
 38「 待て 」 「 おいで 」 の 指示 に 従う こと や 、 決め られ た 場所 で 排せつ が できる こと も 大事 だ 。
 39これら は 他人 へ の 迷惑 を 防ぐ だけ で なく 、 普段 から 慣れ て おけ ば 、 ペット 自身 の ストレス も 軽減 さ れる 。
 40家族 の 非常持ち出し袋 と 同様 に 、 ペット用 の 備蓄 も し て ほしい 。
 41ケージ や リード 、 首輪 の ほか 、 1 週間 分 の ペットフード や 水 、 食器 、 トイレ用 の シート など だ 。
 42お気に入り の おもちゃ を 持っ て 行く と 、 ペット も 落ち着く 。
 43被災時 に 速やか に 避難 できる よう に 、 前もって 最寄り の 避難所 を 知っ て おく べき だろう 。
 44建物 の 倒壊 や 倒木 の 可能性 を 考え て 、 複数 の 避難ルート を 設け 、 所要時間 を 調べ て ほしい 。
 45避難所 の ペットスペース の 有無 や 、 生活 の ルール について 確認 も 必要 だ 。
 46地域 の 防災訓練 に 参加 する など し て 、 避難所運営 に 関わる 人たち と 、 同行避難 の 認識 の 共有 を 図り たい 。
 47狂犬病 や 混合ワクチン の 接種 は 当然 と し て 、 ノミ や ダニ の 予防 も ペット を 伴う 避難生活 で は 重要 に なる 。
 48◎ 探る
 49/ 東北大助教 金進英さん
 50/ 適切 な 避難計画 提案
 51/ 運転者 の 行動 から 車 の 流れ 予測
 522011 年 3 月 11 日 に 発生 し た 東日本大震災 の 経験 から 、 津波 による 浸水 が 内陸 に 到達 し 、 徒歩 で は 避難 が 間に合わ ない 地域 が ある こと が 分かっ た 。
 53各自治体 は 、 徒歩 に加えて 自動車 を 用い て 逃げる 可能性 も 考え て 、 避難計画 の 見直し を 求め られ て いる 。
 54ただし 、 11 年 12 月 7 日 の 余震 で 宮城県沿岸 に 津波警報 が 発表 さ れ た 時 の よう に 、 住民 の 多く が 自動車 を 使う と 、 ひどい 交通渋滞 に なる 危険性 が ある 。
 55その ため 、 一時避難場所 の 割り当て や 道路条件 を 踏まえ 、 渋滞 が 発生 し ない よう な 避難 の 方法 を 見つけ出す 必要 が ある 。
 56私 が 所属 する 被災地支援研究分野 で は 、 交通シミュレーション を 用い て 避難時 における 車 の 流れ を 予測 し て いる 。
 57具体的 に は 、 道路構造 や 信号 など の 物理的 な 条件 の ほか に 、 経路選択 や 目的地選択 など の 運転者 の 行動ルール を 設定 する 。
 58交通工学 の 理論 に 従い 、 時々刻々 移動 する 車両 の 動き を パソコン上 で リアル に 再現 する こと が できる 。
 59自動車 の 避難 が 必要 と なる 沿岸平野部 を 対象 に 、 津波避難時 の 交通シミュレーション を 行い 、 道路ネットワーク の 問題点 を 解明 し て き た 。
 60例えば 、 平常時 に は 海岸 と 平行 に 走る 主要道路 に 沿っ て 交通 が 流れ て いる 。
 61しかし 、 津波避難時 は 、 自動車 が 一斉 に 海岸線 と 垂直方向 の 内陸部 に 向かう 。
 62この ため 、 平常時 と は 異なる 場所 が 原因 と なっ て 交通渋滞 が 発生 する 。
 63特に 垂直方向 の 道路 へ の 合流地点 で は 、 交差点 の 手前 に 車列 が 延びる こと が 問題 と なる 。
 64解決 の 糸口 を 探る ため に は 、 まず 自治体 ごと に 各地区 の 住民 を どの 経路 を 通っ て どこ の 一時避難場所 に 避難 さ せる の か 、 その 時 自動車 の 利用 を どの 程度 認める の か 、 という 避難計画案 を 立てる 。
 65その 上 で 、 交通シミュレーション を 用い て 渋滞箇所 、 車両 の 走行時間 、 一時避難場所 の 到着時刻 を 把握 する 。
 66それら の データ を 参考 に 、 現在 の 人口分布 や 道路 の 条件 に 合っ た 適切 な 避難計画 を 提案 する とともに 、 信号 や 道路 など を 改良 する こと による 効果 を 確認 し たい 。
 67地域 で の 避難訓練 を通して 、 運転者 の 行動ルール を 確認 し 、 交通シミュレーション を 現実 に 近づけ て いく こと も 重要 で ある 。
 68この よう に 、 交通シミュレーション を 軸 と する 実践的 な 研究 を 地域密着 で 進め て 、 自治体 の 避難計画 の 改善 に 役立て たい と 考え て いる 。
 69< キム・ジンヨン > 京都大大学院 で 修士 と 博士学位 を 取得 。
 7011 年 に 東北大大学院情報科学研究科特任助教 を 経 て 、 12 年 から 同大災害科学国際研究所助教 。
 71専門 は 交通工学 。
 7240 歳 。
 73韓国・ソウル出身 。
 74◎ 伝える 2011 ・ 3 ・ 11
 75/ 障害者施設利用者ら と 車 で 内陸 へ ( 名取市 )
 76素早い 行動 、 全員 が 助かる
 77社会福祉法人 「 みのり会 」 は 、 海 から 約1 キロ 離れ た 名取市下増田 で 障害者支援事業所 を 運営 し て い た 。
 78主任支援員 目黒恵美子さん ( 49 ) は 大津波警報 を 知り 、 利用者 40 人 、 同僚 30 人 と 内陸 を 目指し た 。
 79施設 は 午後 3 時 が 帰宅時間 でし た 。
 80地震 が 起き た 時 は 、 帰宅前 の お茶会 の 時間 で 、 利用者 が 食堂 など 2 カ所 に 集まっ て い まし た 。
 81揺れ が 始まる と 、 動き回る 人 、 怖い 怖い と 連呼 する 人たち で 、 騒然 と なり まし た 。
 82職員 は 「 大丈夫 だ よ 」 と 声 を 掛け 、 頭 に 毛布 を かぶせ たり 、 テーブル の 下 に 身 を 隠す よう に 促し たり し ながら 、 落ち着か せ まし た 。
 83防災行政無線 は 聞こえ ませ ん でし た 。
 84携帯電話 の ワンセグ で 仙台港 6 メートル の 大津波警報 を 知り 、 避難 する こと に し まし た 。
 85施設 の 玄関 に は 既に 、 帰宅用 の 車 が 待機 し て い まし た 。
 86利用者 と 職員 は 10 人 乗り の リフト車 4 台 や 軽トラック など に 分乗 し まし た 。
 87この 時 、 職員 が 持ち出し た の は 利用者 の 上着 ぐらい でし た 。
 88すぐ に 戻れる と 思っ た から です 。
 89点呼 を 取っ て 施設 を 出 た の は 午後 3 時 ごろ でし た 。
 90毎月 、 防災訓練 を 行っ て い まし た が 、 津波 を 想定 し た 避難ルート は 決め て い ませ ん でし た 。
 91とりあえず 、 海 から 離れる ため 、 仙台空港アクセス線 の 美田園駅 を 目指し まし た 。
 92動きだし が 早かっ た ため 、 渋滞 に は 遭い ませ ん でし た 。
 93美田園駅近く の 空き地 に 集合 し た 時点 で 、 大津波警報 は 10 メートル に なっ て い まし た 。
 94近く の 企業 から 上 の 階 に 逃げる よう に 声掛け さ れ まし た 。
 95車いす の 利用者 も い ます 。
 96停電 で エレベーター が 止まっ て いる 状況 で 、 上 に 移動 さ せる の は 難しい と 判断 し 、 車 で さらに 内陸 の 名取市役所 に 向かい まし た 。
 97隣 の 市民体育館 に 到着 後 、 職員 は 携帯電話 を 使っ たり 、 自転車 で 直接 訪問 し たり し て 、 利用者 の 家族 に 全員 の 無事 を 伝え 、 迎え を 待ち まし た 。
 98津波 は 美田園駅周辺 に まで 達し 、 海 に 近い 施設 は 大きな 被害 を 受け まし た 。
 99利用者 と 家族 が 日常生活 を 早く 取り戻せる よう に 、 内陸部 の 仮施設 で 3 月 22 日 に 支援事業 を 再開 し まし た 。
 1002013 年 4 月 に 名取市上余田 の 新施設 に 移り まし た 。
 101津波 で 家族 を 亡くし た 利用者 も い ます 。
 102現在 、 利用者 の 「 家 」 と なる グループホーム の 設立準備 を し て い ます 。
 103振り返る と 、 迅速 な 避難 が でき た の は 、 利用者 が 集まっ て い た こと 、 車 が 待機 し て い た こと など 、 幾 つ も の 幸運 が 重なっ た 結果 でし た 。
 104職員 しか い ない 時間帯 だっ たら 、 今回 の よう に 素早く 動か なかっ た かも しれ ませ ん 。
 105私 は 利用者 に 救わ れ た と 思っ て い ます 。
 106◎ 現場 から
 107< ハンカチ 掲げ て 安否確認
 108/ 仙台青年会議所未来ビジョン会議議長 大柿乃輔さん ( 39 ) >
 109仙台青年会議所 は 、 大規模災害時 、 玄関 など に 黄色い ハンカチ を 掲げ 、 家族 の 安否確認 の 迅速化 を 図る 「 しあわせな黄色いハンカチプロジェクト 」 に 取り組ん で い ます 。
 110手始め に 、 ことし の 3 月 11 日 、 仙台市内 で 開催 し た 「 キャンドルナイト2014 」 で 、 来場者 に 約2000 枚 の 黄色い ハンカチ を 配り まし た 。
 111東日本大震災発生時 、 わずか 35 分 で 全世帯 の 安否 を 確認 し た 仙台市太白区 の 鈎取ニュータウン町内会 ( 131 世帯 ) の 自主防災活動 を 他地区 に も 広める の が 目的 です 。
 112今後 も 、 さまざま な 機会 を通じて ハンカチ を 配り 、 毎年 3 月 11 日 に 掲げる こと で 防災 、 共助 の 意識 を 高め て ほしい 。
 113< 孤立 想定 し 集落 ごと 訓練
 114/ 陸前高田市長部地区コミュニティ推進協議会会長 菅野征一さん ( 69 ) >
 115長部地区 で 3 月 、 市内 で 震災後 初めて の 避難訓練 を 行い まし た 。
 116震災 で は 国道 が 浸水 し 、 地区内 七 つ の 集落 が 分断 さ れ て 孤立 し まし た 。
 117その 教訓 を 生かし 、 訓練 は 集落単位 で 実施 し 、 集落間 の 情報伝達 や 避難場所 を 確認 し まし た 。
 118子どもたち も 含め 計500 人 以上 が 参加 し 、 成功 でし た 。
 119避難 に 援護 が 必要 な 人 を 軽トラック で 救助 し たり 、 避難 を 呼び掛け たり する の は 、 日中 で も 自宅 に いる 人たち に 担当 し て もらっ て い ます 。
 120津波 に対する 意識 は 高い の です が 、 次 の 大きな 地震 で は 建物被害 も 心配 し て い ます 。
 121今後 の 訓練 に は 、 倒壊家屋 から の 救出 や 救急救援 を 盛り込も う と 考え て い ます 。