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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/08/10
source:K201408100A0T10XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)


 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2◎ 考える
 3/ 宮城・山元町花釜行政区 の 防災訓練
 4/ 迅速 な 車避難 を 模索
 5/ 高齢者 と 乗り合い
 6逃げ遅れ 有無 確認
 7宮城県山元町 の 花釜行政区 の 住民 が 、 将来 の 震災 に 備え て 、 自動車 を 使っ た 津波避難 の 模索 を 続け て いる 。
 86 月 14 日 の 町総合防災訓練 で は 、 乗り合い で の 避難 や 、 安否確認 を 試み た 。
 9翌 15 日 に は 、 東北大災害科学国際研究所 の 研究者 と 反省会 を 開き 、 迅速 な 避難行動 に つなげる ため の アイデア を 出し合っ た 。
 10花釜行政区 は 町東部 の JR山下駅周辺 から 沿岸 にかけて の 平野 で 、 内陸 の 高台 まで 2 キロ ほど ある 。
 11東日本大震災 で は 約1000 世帯 の 大半 が 津波 で 浸水 し 、 145 人 が 犠牲 に なっ た 。
 12住民 は ( 1 ) 車 が ない 高齢者 が い たら 車 に 乗せ て 避難 する ( 2 ) 避難 の 際 、 不在 を 示す タオル を 掲げる - など を 事前 に 申し合わせ て 、 訓練 に 臨ん だ 。
 13副区長 の 菊地慎一郎さん ( 66 ) が 所属 する 17 班 は 、 15 世帯 の うち 13 世帯 が 参加 し た 。
 14午前 9 時 、 防災無線 の サイレン を 合図 に 、 菊地さん の 妻 次子さん ( 65 ) が 自宅 の 戸締まり を し て 、 避難 を 開始 。
 15隣家 の 1人暮らし の 女性 ( 83 ) に 声掛け し 、 5 分後 に は 一緒 に 高台 に向けて 車 を 走ら せ た 。
 16菊地さん は 車 を 見送っ た 後 、 班内 で 逃げ遅れ た 人 が い ない か 、 一 軒 一 軒 確認 し た 。
 17避難 が 済ん だ 目印 の タオル や 手拭い の 有無 を 軒先 から 点検 し 、 作業 は 5 分 ほど で 終わっ た 。
 18菊地さん が 車 で 自宅 を 出発 し た 午前 9 時 10 分 ごろ に は 、 周囲 に 人影 は なかっ た 。
 19内陸部 の 国道 6 号 を 横切り 、 避難場所 の 山下中 に 向かう 道路 は 渋滞 なく 、 スムーズ に 車 が 流れ て い た 。
 20花釜行政区 で は 2012 年 12 月 、 河北新報社 の 防災ワークショップ 「 むすび塾 」 が 開か れ 、 参加者 から 車避難 による 渋滞 を 心配 する 声 が 上がっ た 。
 21住民 と 災害研 の 専門家 は 13 年 3 月 、 全世帯 ( 当時 260 世帯 ) を 対象 に 、 避難手段 について アンケート を 実施 。
 229 割 以上 が 「 車 」 と 答え た ため 、 円滑 な 車避難 の 方法 を 探っ て いる 。
 23菊地さん は 「 まず は 顔 が 見える 隣近所 で 、 自分 の 身 の 安全 を 第一 に 考え ながら 、 災害弱者 に も 対応 し たい 。 近く に 人 が い ない 時 は 、 屋外 に 出 たり 、 大きな 声 を 出し たり する と 、 住民 の 誰 か が 車 に 乗せる よう な 仕組み を 目指す 」 と 話す 。
 24< 反省会 で 課題 を 議論
 25/ 迂回路 の 事前確認 必要 >
 26訓練翌日 の 6 月 15 日 、 花釜行政区 に ある ビニールハウス の 交流拠点 に 、 17 班 の 住民 11 人 と 災害研 の 安倍祥助手ら が 集まり 、 避難 の 課題 や 改善策 について 話し合っ た = カラー写真 = 。
 27安否確認 し た 班長ら を 除く と 、 住民 は 車 を 持た ない 高齢者 を 同乗 さ せ て 、 10 分 以内 に 避難場所 の 山下中 に 到着 し て い た 。
 28地域 から 学校 に 向かう 幹線道路 は 、 目立っ た 渋滞 は なかっ た 。
 29しかし 、 昨年 8 月 に 町 が 実施 し た 大規模 な 津波避難訓練 「 カケアガレ!日本 」 ( 災害研 協力 ) で は 、 車 が 長い 列 を つくっ た 。
 30住民 から は 「 地震 の 後 だっ たら 混雑 する と 思う 」 「 道 が 壊れ て 、 通れ ない 場合 も ある 」 との 声 が あり 、 事前 に 複数 の 迂回(うかい)路 を 考え て おく こと を 確認 し た 。
 31避難 の 後 、 住民 は 家 に タオル を 掲げ た が 、 巡回 し た 17 班 班長 の 下山司さん ( 63 ) は 「 玄関 まで 確認 し に 行く と 時間 が かかる 。 門 や 塀 に タオル を 巻き付け て もらう と 分かり やすい 」 と 話し た 。
 32住民 から 「 夜 は タオル が 見えづらい だろう 。 ヘッドライト が 届く 道路 の 近く に タオル を 出す の は 夜 の 対策 に も なる 」 との 意見 も 出 た 。
 33車避難 の 課題 の 一 つ として 、 安倍助手 は 「 渋滞 で 車 が 動か なく なっ たら 、 素早く 乗り捨てる 判断 を し なけれ ば なら ない 。 難しい と 思う が 、 津波 が 見え て から では 間に合わ ない 」 と 指摘 し た 。
 34災害情報 を 入手 する タイミング について は 「 テレビ が つか ない 、 防災無線 が 聞こえ ない 場合 で も 、 避難場所 に 行け ば 情報 が 得 られる 。 車 を 使っ て 1 分 で も 早く 逃げ て ほしい 」 と アドバイス し た 。
 35避難訓練 の 反省 を 踏まえ ( 1 ) 目印 の タオル は 道路 に 面し た 場所 に 掲げる ( 2 ) 迂回路 を 含め 避難ルート を 確認 する ( 3 ) 助け が 必要 な 人 は 勇気 を 持っ て 声 を 上げる ( 4 ) 住宅 の 2 階 に 逃げる の は 最後 の 手段 と 考える - など の 注意点 を 班内 に 文書 で 配布 し た 。
 36< 山元町総合防災訓練 >
 372013 年 8 月 の 訓練 に 続い て 、 沿岸部 の 住民 が 車 を 使っ た 津波避難訓練 に 取り組ん だ 。
 38午前 9 時 に 宮城県沖 を 震源 と する 震度 6 強 の 地震 が 発生 し 、 大津波警報 が 発表 さ れ た と 想定 。
 39防災行政無線 や エリアメール から 避難情報 が 流れ た 後 、 住民 は 235 台 の 車 に 分乗 し 、 山下中 、 山下一小 など 内陸部 の 避難場所 6 カ所 に 移動 し た 。
 40東北大災害科学国際研究所 が 、 避難経路 や 渋滞状況 について 調査 し た 。
 41◎ 探る
 42/ 東北大助教 杉安和也さん
 43/ 国内外 の さまざま な 災害経験
 44広い 知見 、 復興 に 活用 を
 452004 年 の 発生当時 、 21 世紀 最大規模 と さ れ た スマトラ沖地震 から 、 ことし 12 月 で 10 年 が 経過 する 。
 46スマトラ沖地震 は マグニチュード 9.1 と 、 東日本大震災 の 本震 と ほぼ 同規模 で 、 インドネシア 、 タイ 、 スリランカ など 、 インド洋 に 面する 国々 に 甚大 な 被害 を もたらし た 。
 47日本 は 国際協力機構 ( JICA ) を通じて 、 インドネシア の 復興計画策定支援 を 実施 し て いる 。
 48過去 の 災害知見 に 基づい た 盛り土道路 による 津波防御ライン の 形成 や 、 沿岸部 の 住民 の ため の 津波避難ビル の 建設 を 提案 し た 。
 49これら が 津波避難 において 重要 な 役割 を 持つ こと は 、 東日本大震災 で あらためて 認知 さ れ た 。
 50この 他 に も 、 13 年 11 月 に 台風 30 号 が 直撃 し た フィリピン の 被災地 で は 、 震災 の 知見 から 、 防潮堤 と 盛り土道路 による 多重防御 による 復興案 が 提案 さ れ た 。
 51さまざま な 災害 の 経験 により 構築 さ れ た 日本 の 災害知見 は 、 世界 の 災害復興 に も 貢献 し て いる 。
 52一方 、 復興事業後 の 被災地 に どのような 課題 が 待ち受け て いる か は 、 日本 も 海外 の 事例 から 大いに 学ぶ 必要 が ある 。
 53例えば 、 インドネシア の 津波避難ビル の 多く は 、 平常時 に は 地域コミュニティー施設 として 使用 さ れる こと を 想定 し て 建設 さ れ た 。
 54しかし 、 利用状況 に 地域差 が あり 、 中 に は ほとんど 維持管理 が さ れ ず 、 非常時 の 利用 が 困難 な 施設 も 出 始め て いる 。
 55高台・内地移転 で 形成 さ れ た 復興住宅地 で は 、 生活 の 利便性 を 求め て 沿岸部 や 都市部 へ 再移転 する 住民 も 現れ て いる 。
 56居住地 の 移転 のみ で は なく 、 生活 の 維持 に 必要 な 都市機能 の 移転 も 考え なけれ ば いけ ない 。
 57これら に 共通 する の は 、 非常時 の 対応 と 日常生活 の 連続性 だ 。
 58平常時 の 運用 を どのように 想定 する か が 、 復興事業 において も 重要 な 点 と いえる 。
 59私 が 所属 する 災害科学国際研究所・グローバル安全学教育研究センター で は 、 国内外 で の 災害知見 を 学び 、 世界 で 活躍 できる 安心・安全分野 の 専門家 の 育成 を 目指し 、 リーディング大学院グローバル安全学トップリーダー育成プログラム を 13 年 から スタート さ せ た 。
 60震災 を 含め た 幅広い 災害知見 を 今後 の 復興 に 生かし 、 次世代 に 伝え て いく こと が 私たち の 使命 で ある と 考え て いる 。
 61< すぎやす・かずや > 筑波大大学院 で 修士 と 博士学位 を 取得 。
 6212 年 に 同大非常勤研究員 を 経 て 、 13 年 から 東北大災害科学国際研究所・グローバル安全学教育研究センター助教 。
 63専門 は 都市防災・災害復興計画 。
 6429 歳 。
 65大分県出身 。
 66◎ 伝える 2011 ・ 3 ・ 11
 67/ 車 ごと 濁流 に ( 東松島市 )
 68/ 木 に ぶつかり 難 逃れる
 69東松島市野蒜 で 乗馬クラブ を 経営 し て い た 菅野春江さん ( 66 ) は 、 長男たち と 車 で 自宅 に 向かう 途中 で 津波 に 流さ れ た 。
 70松島湾 に 押し出さ れ そう に なっ た 車 を 止め た の は 、 アカシア の 木 だっ た 。
 71震災 が 起き た 時 、 長男 、 宮城農高馬術部 の 女子部員 、 仙台市 の 女性客 の 計4 人 で 乗馬クラブ に い まし た 。
 72激しい 揺れ で 建物内 は 物 が 散乱 し 、 危険 だっ た ため 、 避難 する こと に し まし た 。
 73避難場所 は 野蒜小 でし た が 、 大塚東名 の 自宅 に 夫 が 居る と 思い 、 長男 の ワンボックスカー で 女子部員 とともに 、 東名運河沿い の 道路 を 通っ て 自宅 に 向かい まし た 。
 74野蒜小方面 の 車線 は 渋滞 し て い まし た が 、 東名方面 は すい て い まし た 。
 75東名駅 を 過ぎ て 、 運河 に 架かる 橋 を 渡り 、 南 に 進み まし た 。
 76そこ で 左側 から 泥水 が 道路 に 流れ出 て き て 、 進路 を 阻み まし た 。
 77その 時 は 、 水道管 が 壊れ た ぐらい に しか 考え ませ ん でし た 。
 78背後 を 見 て 驚き まし た 。
 79後ろ から 大量 の 水 と がれき が バリバリ という 音 とも に 迫り 、 車 が 流さ れ 始め まし た 。
 80津波 は 渦 を 巻い て い まし た 。
 81車 は 回転 し ながら 、 がれき に ぶつかり 、 まるで 洗濯機 の 中 に いる よう でし た 。
 82車 が 傾き かける たび に 、 シート を 移動 し て 、 バランス を 取り まし た 。
 83横転 し ない よう に 必死 でし た 。
 84車 は 濁流 に もま れ ながら 、 松島湾方向 に 進ん で いる よう でし た 。
 85海 に 押し流さ れる かも しれ ない と 思っ た 時 、 車 が アカシア の 木 に ぶつかり 、 そのまま 引っ掛かり まし た 。
 86ドア の ガラス が 壊れ た 箇所 から 、 車内 に 水 が 入っ て 来 まし た が 、 足首 くらい だっ た ので 、 沈む 心配 は なさ そう でし た 。
 87しばらく し て 、 数十 メートル 先 に ある 東名運河 の 水門 の 管理棟 に 、 消防団員 の 姿 を 見つけ まし た 。
 88知り合い でし た 。
 89開い て い た サンルーフ から 身 を 乗り出し 「 助け て 」 と 叫び まし た 。
 90消防団員 は 「 大丈夫 だ から 慌てる な 」 と 応え て くれ まし た 。
 91水流 が 落ち着い た の を 見計らっ て 、 3 人 で 水門 を 目指し まし た 。
 92ドア は 開か ず 、 サンルーフ から 車外 に 出 まし た 。
 93一帯 は 浸水 し 、 がれき や 車 で 覆わ れ て い まし た 。
 94長男 が がれき を 踏み抜き 、 肩 まで 漬かっ た の を 見 て 、 慎重 に 足 の 踏み場 を 探し ながら 、 少し ずつ 前進 し まし た 。
 951 時間 ほど かけ て 、 水門 に 到着 し まし た 。
 96管理棟 は 電気 が 付い て い て 、 石油ストーブ も あり まし た 。
 97翌朝 、 水門 から 500 メートル ほど 離れ た 仙石線 の 陸橋 まで 歩き 、 そこ から 車 で 避難所 に 搬送 さ れ まし た 。
 98夫 は 震災発生時 、 市内内陸部 の 病院 に 居 て 、 無事 でし た 。
 99◎ 現場 から
 100< 児童 に ライフジャケット
 101/ 岩沼市玉浦小防災主幹教諭 平間正信さん ( 50 ) >
 102東日本大震災 で 、 海岸線 から 約2 キロ の 玉浦小 は 床上浸水 の 被害 を 受け まし た 。
 103教訓 を 踏まえ て 毎月 1 回 、 防災訓練 に 取り組ん で い ます 。
 104授業中 や 登下校中 など さまざま な 場面 の 地震発生 を 想定 し 、 児童 が いつ でも 適切 な 避難行動 を 取れる よう に 備え て い ます 。
 105ことし 3 月 に は 市 から 児童 全員 の ライフジャケット が 配備 さ れ まし た 。
 106大雨 や 洪水 時 も 対応 できる よう 、 2 学期 に 着用訓練 を 行う 予定 です 。
 107毎月 「 玉浦防災だより 」 を 発行 し 、 各家庭 や 公民館 、 保育所 など に 配布 し て い ます 。
 108今後 も 常に 最新 の 情報 を 提供 し 、 地域 全体 の 防災意識 を 低下 さ せ ない よう に 努め て いく 考え です 。
 109< 固形飼料 1 カ月 分 を 備蓄
 110/ 仙台市八木山動物公園飼育展示課衛生係長 釜谷大輔さん ( 43 ) >
 111東日本大震災 の 後 、 園 で は 餌 が 不足 する 事態 に 陥り まし た 。
 112そんな 中 、 全国 の 動物園 など から 魚 や 乾草 といった 支援物資 が 届き 、 本当 に 助け られ まし た 。
 113震災後 は 、 約1 カ月 分 の 固形飼料 を 備蓄 する よう に し て い ます 。
 114園 に は 震災前 から 非常事態対策計画 が あり まし た 。
 115現在 、 非常時 に 餌 を 手配 する ため の 連絡先 や 、 限ら れ た 暖房器具 を 使う 際 の 優先順位 など 、 震災 の 教訓 を 具体的 に 盛り込ん だ マニュアル の 作成 を 進め て い ます 。
 116来園者 に対して は 、 大きな 地震 が 発生 し た 場合 、 園内放送 で 震度 や 震源地 など を 知ら せ ます 。
 117職員 が 手分け し て 安全確認 を 行い 、 閉園 する 場合 は 、 避難誘導 し ます 。