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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/06/11
source:K201406110A0T30XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2◎ 考える
 3/ 熱中症 に 備え よう
 4/ 室内 や 夜 も 油断 禁物
 5夏 の 到来 とともに 増える 熱中症 。
 6誰 も が 発症 の 危険 が あり 、 最悪 の 場合 は 死 に 至る が 、 正しい 知識 を 身に付けれ ば 防げる 。
 7夏本番 を 前 に 、 すぐ に 実践 できる 予防法 や 応急手当て を 紹介 する 。
 8< 初夏 で も 救急搬送 急増 >
 9全国 各地 で 真夏日 を 観測 し た 5 月 26 日 ~ 6 月 1 日 、 東北 6 県 の 熱中症 による 救急搬送者数 は 128 人 で 、 前年同時期 の 32 人 を 大幅 に 上回っ た 。
 10県別 の 内訳 は 、 青森 16 人 ( 前年同時期 6 人 ) 岩手 20 人 ( 2人 ) 宮城 32 人 ( 5 人 ) 秋田 15 人 ( 6 人 ) 山形 15 人 ( 5 人 ) 福島 30 人 ( 8 人 ) 。
 11熱中症 は 例年 6 月 から 増え 始め 、 7 、 8 月 に 集中 する 。
 12東北 で は 昨年 6~9 月 に 6 人 が 死亡 し 、 84 人 が 重症 に なっ た 。
 13熱中症 から 身 を 守る に は 、 できるだけ 気温 の 高い 場所 に 行か ない こと が 有効 だ が 、 夏場 に なる と そう も いか ない 。
 14屋外 だけ で なく 、 室内 や 夜間 も 油断 は 禁物 。
 15予防 の ため に 、 温湿度計 の チェック と 定期的 な 水分補給 を 習慣付け たい 。
 16湿度 が 高い と 汗 が なかなか 乾か なく なり 、 体 の 熱 を 発散 し にくく なる 。
 17気温 と 併せ て 、 多湿 に も 注意 が 必要 だ 。
 18水分補給 は 定期的 に スポーツドリンク の よう な 塩分 を 含ん だ 飲み物 を 取る よう に する 。
 19喉 の 渇き を 自覚 する 前 から 、 こまめ に 水分補給 する の が ポイント だ 。
 20日頃 から 栄養バランス の 取れ た 食事 と 十分 な 睡眠 を 確保 し 、 熱中症 に なら ない よう な 体力づくり も 大事 に なる 。
 21< 応急手当
 22/ 風 を 当て 体 冷やす >
 23高温多湿 の 環境 で 、 めまい 、 失神 、 大量 の 発汗 、 吐き気 、 嘔吐 ( おうと ) 、 高体温 、 けいれん など の 症状 が 出 たら 、 熱中症 の 疑い が ある 。
 24患者 の 意識 の 有無 を 確認 し 、 119番 を する 。
 25仙台市消防局救急課 の 担当者 は 「 意識 が なかっ たり 、 様子 が おかしかっ たり し た 場合 や 、 自力 で 水 を 飲め ない とき は 、 ためらわ ず 救急車 を 呼ん で ほしい 」 と 話す 。
 26救急車 が 到着 する まで は 、 応急手当て を 施す 。
 27患者 を 風通し の 良い 涼しい 場所 に 移動 さ せ 、 衣服 を 緩め たり 、 脱がせ たり し て 皮膚 を 露出 さ せる 。
 28首 の 後ろ 、 脇の下 、 太もも の 付け根 など 動脈 が 通る 部分 を 氷のう や 保冷剤 で 冷やし 、 体温 を 下げる 。
 29体 に 水 を 掛け ながら うちわ や 扇風機 で 風 を 当てる と 冷却効果 が 高まる 。
 30常温 の 水 を 霧吹き で 掛ける の が 理想 だ が 、 手 や ぬらし た タオル で 少し ずつ 水 を 掛け て も 有効 だ 。
 31自力 で 水 が 摂取 できる 場合 は 、 少量 の 塩 を 加え た 水 や スポーツドリンク を 飲ま せる 。
 32ただし 、 意識 が はっきり し ない 場合 は 肺 に 入っ て しまう 危険 が ある ため 、 無理やり 飲ま せ て は いけ ない 。
 33熱中症 の 応急手当て は 、 市消防局 が 提供 する スマートフォン向け無料アプリ 「 救命ナビ 」 で 学ぶ こと が できる 。
 34< 仙台市立病院 ・ 村田祐二救命救急部長 に 聞く
 35/ 乳幼児 、 高齢者 見守り を >
 36熱中症 は いつ 、 どんな 人 が かかり やすい の か 。
 37仙台市立病院 の 村田祐二救命救急部長 に 聞い た 。
 38人間 は 汗 の 蒸発 や 、 皮膚 の 表面 から 外気 へ の 熱放散 によって 、 体温調節 を する 。
 39熱中症 は 気温 や 湿度 が 高い 環境 で 、 熱 の 発散 が 正常 に 行わ れ ず 、 大量 の 汗 を かい て 水分 、 塩分 が 失わ れ 、 体 の バランス が 破綻 する こと によって 発症 する 。
 40特に 乳幼児 、 高齢者 、 運動 を する 人 は 警戒 し て ほしい 。
 41人間 は 体 が 小さい ほど 短時間 で 熱中症 に かかり やすい 。
 42子ども は 身長 が 低い ため 、 地面 の 照り返し により 高い 温度 に さらさ れる ほか 、 汗腺 の 発達 も 未熟 だ 。
 43大人 が あまり 暑く ない と 感じる 日 で も 、 乳幼児 だけ を 車 に 寝かせ て おく こと は ご法度 。
 44照り返し の 影響 を 受け やすい ベビーカー の 利用 は 注意 が 必要 だ 。
 45高齢者 は 汗 を かき にくく 、 暑さ を 自覚 する 能力 も 弱まっ て いる 。
 46特に 1人暮らし の 人 が 自宅 で 熱中症 に なる ケース が 多い 。
 47本人 が 気を付ける の は もちろん だ が 、 気温 の 高い 日 は 近所 の 人 が 声 を 掛ける など 、 見守り体制 を 整え たい 。
 48高血圧 や 糖尿病 の よう な 持病 が ある 場合 も 、 熱中症 の リスク は 高まる 。
 49暑い 時期 に 運動 する 人 は 用心 し て ほしい 。
 50中 で も 進学 し た ばかり で 体 が 慣れ て い ない 中学 1 年生 や 高校 1 年生 は 要注意 。
 51定期的 な 水分補給 を 徹底 し て もらい たい 。
 52◎ 探る
 53/ 東北大助手 小林徹平さん
 54/ まち機能 を 集約 、 交流 創出
 55「 想い 」 受け継ぐ 風景 育む
 56東日本大震災 で 甚大 な 被害 を 受け た 東北沿岸部 は 、 かねて より 人口減少 と 高齢化 が 進ん で い た 。
 57さらに 、 被災 し た 住民 が 今 まで 住ん で い た まち を 離れ た ため 、 社会 を 支える 人口基盤 そのもの が 揺らぎ つつ ある 。
 58復興事業 は 、 被災 し た 住宅地 、 道路 、 建物 、 防潮堤 など の 生活基盤施設 の 復旧 ・ 新設 を 予定 し て いる 。
 59しかし 、 人口減少 が 進む と 、 必然的 に 人 と 人 が 交流 する 場 が 減る 。
 60この 点 を 考慮 し 、 復旧 ・ 新設 する 施設 や 被災 を 免れ た 施設 を 集約 する こと で 、 まち の 機能 を 重ね合わせ 、 交流 の 場 を 創出 する 必要 が ある 。
 61交流 の 場 の 創出 は 、 風景 を 育てる きっかけ に なる 。
 62ここ で いう 風景 とは 、 それぞれ の 人 が 持つ 記憶 や 思い出 など 「 想(おも)い 」 の ある 場 で ある 。
 63道路 、 橋 、 山 、 川 、 海 といった 地図 の よう な イメージ として の 場 や 、 住宅地 、 商店 、 仕事場 、 遊び場 など の 日常生活 の 中 で 人 と 交流 する 場 は 、 人 の 「 想い 」 と 密接 な 関係 が ある 。
 64そうした 「 想い 」 が 、 何 世代 に も わたっ て 重なり 、 人々 の 間 に 共有 さ れる 風景 が 生まれ て き た 。
 65被災地 は 震災 により 多く の 風景 を 喪失 し た 。
 66復興計画 で は 、 この よう な 風景 の 継承 も 重要 な 課題 で ある 。
 67私 が 所属 する 東北大災害科学国際研究所 の 災害復興実践学分野 は 、 行政主導 で 進め られる 復興計画 の 策定 を 支援 し て いる 。
 68具体例 を 挙げる と 、 まち 全体 を コンパクト に まとめる ため 、 数 カ所 で 予定 さ れ て い た 集落 の 移転 地 を 一 つ に 集約 する 住宅地 の 設計 や 、 その 住宅地付近 に 商業店舗 や 役場機能 など を 配置 する 計画 で ある 。
 69その 他 、 これ まで の まち が 持っ て い た 道 の 特徴 を 生かし た 住宅地 の 設計 を 担う 。
 70また 、 震災発生以前 に 行わ れ て い た 海 で の レジャー活動 を 継承 する ため 、 アクセス性 の 高い 親水型防潮堤 を 設計 する 。
 71これら の 取り組み は 、 人 と 人 が 交流 する 機会 を 創出 し て 人 の 「 想い 」 を 育み 、 道路 や 地形 など の 震災前 から 残る 風景 と 、 復興事業 を通じて 生まれる 風景 を 結び付ける こと や 、 あるいは 場 が 変化 し て も 、 そこ で 行わ れ て き た 活動 を 受け継ぎ 、 人 の 生活 が 生み出す 風景 を 継承 する こと も 狙い の 一 つ に なっ て いる 。
 72今回 の 被災経験 も また 一 つ の 風景 で ある 。
 73この 風景 を 共有 する こと は 、 次世代 の 風景 を 育む きっかけ に なる と 考え て いる 。
 74< こばやし・てっぺい > 早稲田大大学院修了 。
 75株式会社国際開発コンサルタンツ を 経 て 、 12 年 から 東北大災害科学国際研究所助手 。
 76専門 は 景観デザイン 。
 7726 歳 。
 78神奈川県出身 。
 79◎ 伝える 2011 ・ 3 ・ 11
 80/ 浜 襲う 津波 を 撮影 ( 宮城県南三陸町 )
 81引き波 強く 海底 あらわ
 82宮城県南三陸町歌津 の 漁業 高橋栄樹さん ( 32 ) は 、 寄木漁港 に 面し た 自宅兼工場 で 大きな 揺れ に 襲わ れ た 。
 83津波 は 引き波 と 押し波 を 繰り返し 、 浜 を 襲っ た 。
 84大きな 水槽 の 近く で 、 カキ養殖用 の ロープ の 手入れ を し て い まし た 。
 85微震動 の 後 、 揺れ が 大きく なり 、 水槽 の 水 は 波打っ て あふれ 、 軽トラック は バウンド し て い まし た 。
 86湾内 の 係留場 に 止める ため 、 岸壁 に あっ た 船 を 出し まし た 。
 87小舟 で 陸 に 戻る ころ に は 、 引き波 で 水位 が 下がっ て い まし た 。
 88自宅 は 1 階 が 工場 で 、 2 階 が 住居 です 。
 89住居 に 入る と 室内 は 神棚 が 落ち 、 食器 が 散乱 し て い まし た 。
 90自分 の 部屋 は 金具 で 家具 を 固定 し て い た ので 被害 は 限定的 でし た 。
 91漁港 の 撮影 を 始め まし た 。
 92すっかり 潮 が 引き 、 湾内 の 小島 が 陸続き に なり まし た 。
 93午後 3 時 5 分 ごろ に 引き波 が 止まる と 、 押し波 が 発生 し 、 水位 が 上がり 始め まし た 。
 94午後 3 時 20 分 ごろ に は 、 海 が 防波堤 を 超え そう な ほど 膨れ 、 黒っぽい 色 に 変わり まし た 。
 95コンクリートブロック に 係留 し て い た 船 は 、 海中 に 引きずりこま れる よう に 船首 が 沈ん で い まし た 。
 96防波堤 を 超え た 津波 は 、 あっという間 に 周囲 に 広がり 、 建物 に 迫り まし た 。
 97工場部分 が 水没 し 、 水 が 2 階 に 達する と 室内 に たまっ た 空気 で 建物 が 膨れ 、 ボコッ という 音 とともに 壊れ まし た 。
 98海抜 12 メートル ぐらい の 所 で 撮影 し て い まし た が 、 いつ の 間 に か 足元 に 水 が 来 て い まし た 。
 99撮影 に 夢中 で 気付き ませ ん でし た 。
 100周囲 の 車 が 流さ れ 、 ショート し た ため か 、 クラクション が 鳴りっぱなし でし た 。
 101第1 波 の 海面 に 覆いかぶさる よう に 、 第2 波 が 押し寄せ て き まし た 。
 102身 の 危険 を 感じ 、 裏山 に 避難 し まし た 。
 103午後 5 時 ごろ に は 引き波 によって 、 再び 岸壁近く の 海底 が 姿 を 現し まし た 。
 104沖 に ある 岩礁 も 見え まし た 。
 105裏山 の 民家 に 、 12 、 13 人 の 近所 の 人たち が 身 を 寄せ 、 一夜 を 過ごし まし た 。
 106伊里前小 に 通う 児童 の 親 は 、 わが 子 に 連絡 が 取れ ず 、 気が気でない 様子 でし た 。
 107ラジオ で 「 南三陸町 は 壊滅 」 と 流れ 、 逃れ た の は 自分たち だけ の よう な 気 に なり まし た 。
 108翌日 、 若手 2人 と 徒歩 で 避難所 の 歌津中 を 目指し まし た 。
 109歌津 の 中心部 は がれき で 覆わ れ 、 橋 の 上 に 船 が 乗っ て い まし た 。
 110JR気仙沼線 の 線路 を 進み まし た が 、 土台 が 流さ れ 、 線路 が 宙づり の 箇所 も あり まし た 。
 111歌津中 で は 、 近所 の 児童 の 無事 を 確かめ まし た 。
 112発生当日 、 父 は 気仙沼市 、 母 と 弟 は 栗原市 に 出掛け て い まし た 。
 113無事 、 再会 でき まし た 。
 114◎ 現場 から
 115< 地域防災 の 担い手 を 育成
 116/ 宮城県南三陸町 歌津中防災主任 及川敦さん ( 50 ) >
 117年間 32 時間 の 防災教育 に 取り組ん で い ます 。
 118自分 の 命 を 自分 で 守る こと 、 そして 将来 、 生徒 が 社会 の 担い手 に なっ た とき 、 災害 に 対応 し て 周囲 を 助け られる 実践力 の 向上 が 目標 です 。
 119応急処置 や がれき撤去 の 訓練 、 地域安全マップづくり や 家族防災会議 の 発表 など 多岐 に わたり ます 。
 120丸 1 日 かける 避難所運営訓練 で は 、 避難 や 炊き出し 、 自治組織 の 設立 など 全て を 生徒 に 任せ 、 自主性 を 養い ます 。
 121今 の 生徒 は 震災 の 体験者 です 。
 122訓練 で は 自然 に 顔つき が 変わり ます 。
 123今後 、 教員 、 生徒 とも 震災 を 知ら ない 世代 に なっ た 時 が 正念場 でしょう 。
 124しっかり し た 防災教育 の 継続 が 重要 だ と 思い ます 。
 125< 原発事故 の 教訓 を 全国 に
 126/ NPO法人福島学グローバルネットワーク事務局長 関根文恵さん ( 35 ) >
 127東日本大震災 の 津波 と 福島第1原発事故 の 二 つ の 大災害 を 経験 し た 福島県 で は 、 従来 の 防災訓練 は 役 に 立た ず 、 多く の 犠牲 を 払い ながら たくさん の 教訓 を 得 まし た 。
 128住民 、 被災自治体 など と 他県 の 旅行会社 、 学校 、 企業 の 仲介役 を 担い 、 防災教育旅行 や 実践的 な 防災キャンプ など の 企画 を 提案 し て い ます 。
 129昨年 は 熊本県 の 高校生 の 研修旅行 を 広野町 など で 実施 し た ほか 、 東京 で 視察旅行 に関する セミナー を 開催 し まし た 。
 130全国 で は 大地震 が 起きる 可能性 が あり 、 原発 が 立地 する 地域 も 数多く あり ます 。
 131どう 避難 する の か 、
 132放射線 に どう 対応 する の か 。
 133福島 の 教訓 を 伝え 続け て いき たい です 。