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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/03/11
source:K201403110A0T30XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2◎ 考える
 3/ 新生活 、 防災 の 視点 で 部屋選び
 4/ 阪神大震災 を 分析 藤江徹さん の 研究 から
 5木造 2 階 共同 に 死者 集中
 6卒業式シーズン の 3 月 は 、 進学 を 控え た 高校生 や 新社会人 が 心 を 弾ま せ ながら 、 部屋探し に 忙しい 時期 で も ある 。
 7家賃 、 間取り 、 立地 など 、 家選び の こだわり は 、 人 によって さまざま 。
 8でも 思い出し て み よう 。
 91995 年 1 月 に 発生 し た 阪神大震災 で は 、 家屋 の 倒壊 で 亡くなっ た 若者 が 目立っ た 。
 10数 年間 暮らす 住居 だ から 、 部屋選び の 基準 に 防災 ・ 減災 の 視点 を 加え て は どう だろう 。
 11公害 から の 環境再生 に 取り組む 「 あおぞら財団 」 ( 大阪府 ) の 藤江徹さん ( 41 ) は 、 神戸大大学院生 の 時 、 修士論文 で 「 阪神・淡路大震災における住宅被害による死者の発生とその要因分析 」 を まとめ た 。
 12非木造 、 木造一戸建て 、 木造長屋建て 、 木造共同低層 の タイプ ごと に 入居者 の 家族構成 、 世帯主 の 年齢 、 収入 など を 分析 。
 13死者 は ( 1 ) 高齢者層 の 居住 する 老朽化 し た 持ち家 ( 2 ) 若年層 を 含む 低収入者層 が 入居 する 借家 ( 木造共同低層 ) ( 3 ) 終戦前 から の 都市居住者 の 住む 木造長屋 - に 集中 し て い た 。
 14木造共同低層 は いわゆる 木造 2 階 の アパート 。
 15借家 で 低所得者層 が 多く 、 世帯主 に 若い 層 の 割合 が 高かっ た 。
 16全体 の 死者 の 2 割 が 亡くなり 、 1 世帯 当たり の 死者数 は 1.39 人 で 、 住宅 の タイプ の 中 で 最も 多かっ た 。
 17阪神大震災 の 犠牲者 の 年齢 は グラフ の 通り 。
 18たくさん の 高齢者 が 亡くなっ た 一方 で 、 若年層 の 中 で は 20~24 歳 が 、 前後 の 年齢 に比べて 突出 し て 多い こと が 分かる 。
 19藤江さん も 神戸大 4 年 の とき に 木造共同低層住宅 で 被災 し 、 傾い た 建物 から 自力 で 脱出 し た 。
 20「 私 の よう に 、 多く の 学生 は 文化住宅 と 呼ば れる 木造 2 階 の 共同住宅 に 住ん で い た 。 被害 を 受け やすい 建物 に たくさん の 若者 が 住ん で い た こと が 、 20 代 前半 の 犠牲 の 拡大 に つながっ た の で は ない か 」 と 推測 し て いる 。
 21< 救え なかっ た 学生 を 思っ て >
 22藤江さん が 研究 を 始め た きっかけ は 、 借家 に 住ん で い た 男子学生 へ の 思い だっ た 。
 23修士論文 の 末尾 に 、 次 の よう に 記し た 。
 24「 彼 は 文化住宅 の 一 階 で 下敷き に なっ て 生き た まま 炎 に 包ま れ まし た 。
 25彼 の 友達 と 私 は 精いっぱい のこぎり を 引き 、 2 階 の 窓 を 割り 、 壁 を 壊し 、 梁 ( はり ) を どかし 、 床 を はぎ 、 彼 を 助け出そ う と し まし た 。
 26火 が 近づい て くる の が 分かっ た とき 、 毛布 に 包ま れ た 状態 で 彼 は 、 私 に 『 俺 、 助かる かな 』 と 言い まし た 。
 27私 は 『 大丈夫 、 絶対 助け たる 』 と 彼 に 言い返し まし た 。
 28指先 だけ だっ た 彼 の 体 も 上半身 が 出 て 、 もう 少し という ところ でし た が 、 スキー の 板 と 折れ た 柱 が どう し て も どけ られ ず 、 彼 を 置い て 行か なけれ ば なり ませ ん でし た 。
 29( 中略 ) 私 の 研究 で 彼 の よう な 人 が 一人 でも 減れ ば と 思い ます 」
 30< 耐震 は ?
 31地盤 は ?
 32教訓 生かし 確認シート
 33/ 関西大 ・ 林准教授ら 作成 >
 34静岡大防災総合センター は 2009 年 、 建物 の 安全確認 の チェックシート 「 安全な家の選び方 」 を 作成 し 、 部屋探し を する 学生たち に 活用 を 呼び掛け て いる 。
 35確認項目 は ( 1 ) 1981 年 よりも 新しい 家 か ( 2 ) 81 年 よりも 古い 場合 は 、 耐震性能 は 十分 か ( 3 ) シロアリ被害 は ない か ( 4 ) 敷地 の 地盤 は 良好 か - の 4点 。
 3681 年 に 施行 さ れ た 新耐震基準 の 建築 確認 か 、 耐震補強 の 有無 の 確認 を 求める ほか 、 耐震性能 を 低下 さ せる 恐れ が ある シロアリ被害 や 軟弱 な 地盤 の チェック を 促す 。
 37多く の 若者 が 亡くなっ た 阪神大震災 の 教訓 を 生かす こと が 狙い 。
 38建物 の 倒壊 で 子ども を 亡くし 、 「 あの とき 、 もう 少し まとも な 家 に 住む よう 勧め て いれ ば … 」 と 自責 の 念 に から れる 親 の 体験談 も きっかけ に なっ て いる 。
 39当時 、 静岡大 で シート を 作成 し た 林能成関西大准教授 は 「 景気 が いい と 新築志向 が 強く 、 結果的 に 耐震性 が 不十分 な 古い 家 は あまり 選ば れ ない 。 逆 に 不景気 だ と 、 不本意 ながら 古い 家 を 選ぶ 学生 も いる 」 と 指摘 。
 40「 大学生 、 新社会人 は 自分 で 住居 を 選ぶ 初めて の 機会 だ 。 災害 を 意識 し た 住まい選び を 経験 し て おく と 、 将来 、 自分 で 家 を 買っ たり 、 建て たり する とき に も 役立つ 」 と 話す 。
 41
 42河北新報社 は 林能成関西大准教授 の 監修 で 「 家選びの安全確認項目 」 チェックシート を 作り まし た 。
 43河北新報オンラインニュース から ダウンロード でき ます 。
 44トップページ 「 震災・防災 」 の バナー から 入り 「 家選びの安全確認項目 」 の バナー を クリック し た 後 、 印刷 し て ください 。
 45◎ 探る
 46/ 東北大助教 蝦名裕一さん
 47/ 慶長三陸地震津波 の 検証
 48/ 過小評価 から 脱却 図る
 49「 政宗 の 時代 、 千貫山 まで 津波 が 来 た っていう 話 が ある ん だ けど 、 知っ てる ? 」
 50大震災 の 数 年 前 、 岩沼市 の 市史編さん に 関わっ て い た 際 に 、 井口経明市長 から この よう な 言葉 を 掛け られ た 。
 51恥ずかし ながら 当時 の 私 は 全く 知ら ず 、 まさか 岩沼市内陸部 の 千貫山 まで 津波 が 来る よう な こと は ない だろう 、 と 半信半疑 で あっ た 。
 522011 年 3 月 11 日 、 長く 激しい 振動 の 後 、 仙台市青葉区 に ある 研究室 の 外 に 避難 し 、 携帯 で 「 東北地方沿岸部 に 大津波警報 」 の 情報 を 知っ た 瞬間 、 この 記憶 が 脳裏 に よみがえっ た 。
 53同時 に 、 歴史研究者 として 先人たち の 警鐘 を 受け止め きれ なかっ た 自分 を 大いに 恥じ た 。
 54仙台藩祖 伊達政宗 の 時代 の 津波 という の は 、 東日本大震災 から ちょうど 400 年 前 の 1611 ( 慶長 16 ) 年 に 、 東北地方太平洋沿岸 を 襲っ た 津波 の こと で ある 。
 55従来 の 研究 で この 津波 は 、 慶長三陸地震津波 と 呼ば れ 、 中 に は 仙台平野以南 の 津波被害 の 記録 は 間違い で は ない の か 、 という 説 も あっ た 。
 56しかし 大震災 の 後 、 あらためて 歴史資料 を 読み直し て みる と 、 岩手県 から 福島県 にかけて の 広い 範囲 を 大津波 が 襲っ た こと や 、 先人たち が 体験 し た 津波 の 情景 が 克明 に 記さ れ て い た の で ある 。
 57さらに 、 大津波 の 発生 を 踏まえ て 仙台藩 の 歴史 を 見直す と 、 大津波 から 間もなく 海岸部 で 実施 さ れ た 塩田開発 や 、 黒松 の 植林 による 防潮林 の 形成 は 、 被災地復興 や 防災対策 という 側面 が ある こと が 分かっ て き た 。
 58電気 も コンクリート も ない 時代 で ある が ゆえ に 、 先人たち は 自然 の 特性 を 最大限 に 活用 し た 復興 と 防災 を し て き た の で ある 。
 59現在 、 私 は この 400 年 前 の 大震災 について 、 従来 の 過小評価 さ れ た イメージ から 脱却 さ せ たい と 考え て いる 。
 60その ため に 、 当時 の 東北地方 の 呼び名 「 奥州 」 に ちなん で 、 正確 な 被災範囲 を 示す 慶長“奥州”地震津波 と 名称 を 改め 、 歴史学 だけ で は なく 、 津波工学 や 地質学 の 研究者 と も 連携 し 、 慶長奥州地震津波 の 実相 を 解明 する 新た な 研究 に 取り組ん で いる 。
 61大災害 を 経験 し た 先人たち の 教訓 、 一方 で 自然 を 畏れ ながら も その 特性 を 生かし た 先人たち の 復興 と 防災 の 取り組み に 、 学ぶ ところ は 大きい 。
 62かつて の 大震災 を 乗り越え た 先人たち は 、 歴史資料 を通して 、 今日 の われわれ を 導き 、 励まし て いる 。
 63< えびな・ゆういち > 東北大大学院修了 、 同大東北アジア研究センター教育研究支援者 を 経 て 、 12 年 から 同大災害科学国際研究所助教 。
 64専門 は 日本近世史 、 藩政史 。
 6538 歳 。
 66青森市出身 。
 67◎ 伝える 2011 ・ 3 ・ 11
 68/ 自転車 で 高齢者 の 安否確認 に 奔走 ( 宮城県山元町 )
 69内陸側 から も 津波 迫る
 70宮城県山元町 の 民生児童委員 青柳守彦さん ( 68 ) は 、 震災 が 発生 し た 後 、 自転車 で 1人暮らし の お年寄り の 安否確認 に 奔走 し た 。
 71家々 を 回る 間 に 、 津波 は 地域 に 迫っ た 。
 72自宅 の 居間 に い た とき に 、 大きな 揺れ に 襲わ れ 、 妻 と テーブル の 下 に 身 を 隠し まし た 。
 73家 が ぎしぎし と きしみ 、 棚 の 物 が 落ち まし た 。
 74揺れ が 収まっ た 後 、 自転車 に 乗っ て 、 お年寄り の 家 に 出掛け まし た 。
 75国道 6 号 の 内陸側 に 住む 3 人 の 無事 を 確認 し た 後 、 国道 を 越え て 海側 の JR坂元駅方面 に 向かい まし た 。
 76途中 の 住宅地 で は 、 住民たち が 建物 の 外 に 出 て 、 被害 を 確認 し たり 、 海 の 方 を 見 たり し て い まし た 。
 77内陸 に 避難 する 車 は あまり 見掛け ませ ん でし た 。
 78駅 の 近く の 数 軒 の 家 を 回り まし た 。
 79施錠 さ れ て いる 家 も あり まし た 。
 80いつも なら 、 北隣 の 地区 も 巡回 する の です が 、 この 日 は 虫 の 知らせ でも あっ た の か 、 無意識 の うち に 国道方向 に 自転車 を こい で い まし た 。
 81住宅地 に 戻っ た とき です 。
 82背後 で バリバリ と 音 が し まし た 。
 83振り向く と 、 視界 いっぱい に 広がっ た 黒い 壁 が 、 土煙 を 上げ ながら 迫っ て くる の が 見え まし た 。
 84びっくり し て 、 周囲 よりも 高く なっ て いる 国道 を 目指し 、 必死 に ペダル を こぎ まし た 。
 85車 が 何 台 か 、 猛スピード で 追い越し まし た 。
 86津波 に 追い付か れる 前 に 、 国道 の のり面 に たどり着き まし た 。
 87上 に い た 警察官 が 「 早く 上がれ 」 と 叫び まし た 。
 88津波 の 先端 は すぐ そこ でし た 。
 89自転車 を 乗り捨て 、 のり面 を はい上がろ う と し まし た 。
 90やぶ が 邪魔 し て 上る こと が でき ませ ん 。
 91国道 の ガード下 に 走り込み まし た 。
 92反対側 に 抜け出 た ところ で 驚き まし た 。
 93水 は 内陸側 から も 迫っ て き た の です 。
 94国道 の 低い 場所 を 越え た 津波 が 、 道路 に 沿っ て 回り込ん で き た の でしょう 。
 95国道 に 合流 する 坂道 を 駆け上がり まし た 。
 96膝下 まで 水 に 漬かり ながら 、 ぎりぎり で 津波 から 逃げ 切る こと が でき まし た 。
 97大きな 地震 だっ た ので 津波 が 来る と 思い まし た が 、 これ ほど 大きな 津波 に なる と は 思い ませ ん でし た 。
 98海 の 近く に 住ん で い た お年寄り 3 人 と 、 安否確認中 の 民生児童委員 2人 が 犠牲 に なり 、 とても 残念 です 。
 99◎ 現場 から
 100< 広域支援 の 活動 を 冊子 に
 101/ 山形県危機管理課課長補佐 荻野章さん ( 51 ) >
 102東日本大震災 から 3 年 を 機 に 、 被災地 へ の 職員派遣 や 物資輸送 、 被災者 の 受け入れ など 、 山形県 が 実施 し て き た 広域支援活動 を 検証 し て い ます 。
 103今後 の 参考 、 教訓 と する ため 、 年度内 に も 結果 を 冊子 に まとめ ます 。
 104山形県 は 震災発生後 、 広域支援対策本部 を 設置 し て 、 緊急対応 から 中長期的取り組み まで 、 見直し を 進め ながら 活動 を 続け て き まし た 。
 105ピーク時 に 1万3000 人 を 超え た 避難者 の 受け入れ など は 、 県 として 初めて の 経験 で 、 県内市町村 と の 連携 の 重要性 を 再認識 さ せ られ まし た 。
 106職員 の 異動 も 進ん で い ます 。
 107新た な 担当者 が 対応 できる よう に 、 冊子 を 活用 し たい と 思い ます 。
 108< 3 年 で 防災士 150 人 養成 へ
 109/ 角田市総務部次長兼防災安全課長 仙石利幸さん ( 56 ) >
 110角田市 は 新年度 、 東北福祉大 と 提携 し 、 防災士養成支援事業 に 取り組み ます 。
 1113 年間 で 150 人 を 目標 に 、 各行政区 の 自主防災組織 や 消防団 の リーダーら による 防災士 の 資格取得 を 市 が 全額補助 し ます 。
 112宮城県内 の 自治体 で は 初 の 取り組み です 。
 113避難行動 や 避難所 の 運営 など 防災 に関する 専門知識 を 高め て もらい 、 地域 の 自主防災力 を 高める の が 狙い です 。
 1141986 年 の 阿武隈川 の 破堤 による 洪水 など 、 市 で は 過去 に 大きな 水害 が あり まし た 。
 115浸水想定区域 に は 市中心部 の 大部分 が 含ま れ 、 要援護者 の 避難誘導 など 住民 の 協力 が 必要 です 。
 116防災士養成 を 地域 の 連携 を 深める 一 つ の 契機 に し たい です 。