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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/03/26
source:K201403260A0T10XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)


 1東北再生 あす へ の 針路
 2/ 東北再生国際学術コンペティション から
 3/ 復興 へ 若い 英知 競う
 4河北新報社 の 「 東北再生への提言 」 を テキスト に 、 世界 各国 の 大学院 が 東日本大震災 から の 復興アイデア を 競う 「 東北再生国際学術コンペティション 」 ( 東洋大 主催 ) が 行わ れ た 。
 513 の 大学院 から 論文審査 の 結果 、 1 位 ハーバード大デザイン大学院 ( 米国 ) 、 2 位 建築・土木・測地学大大学院 ( ブルガリア ) 、 3 位 クイーンズランド州立大大学院 ( オーストラリア ) を 優秀校 に 選出 。
 6斬新 な 発想 で 東北 の 未来 を 描い た 優秀論文 の 概要 を 紹介 し 、 世界 の 若い 英知 と共に 東北復興 の 今後 を 考える 。
 7◎ 東北の持続可能な経済再生
 8/ 移動可能診療所 を
 9/ ハーバード大デザイン大学院
 10医療過疎 、 人口減少 、 景気低迷 など 震災 で あらわ に なっ た 地域課題 の 克服策 に 主眼 を 置い た 。
 117 項目 の 解決策 を 示し 、 これら を 実現 する ため に は 「 東北開発庁 」 を 設置 し 、 長期的 な 取り組み が 不可欠 だ と 訴える 。
 12被災地 の 医療 の 現状 を 「 高度医療 の 集積 より 包括的地域医療ケア の 充実 が 急務 」 と 分析 。
 13中核病院 の 整備 で は なく 、 「 モービルユニット 」 と 呼ぶ 移動可能診療所 の 導入 を 提案 する 。
 14原発事故 に 見舞わ れ た 福島県 で は 、 再生可能エネルギー の 普及 に 欠かせ ない 蓄電池 の 生産拠点 を 、 国家プロジェクト で 郡山市 に 置く 。
 15雇用 の 確保 も 期待 できる 。
 16津波 で 失わ れ た 住宅 の 再建策 は 、 浸水域 で あっ て も 「 津波リスク が 中・低程度 の エリア で あれ ば 宅地開発 を 許可 す べき だ 」 と 論陣 を 張る 。
 172010 年 の 大地震津波 から 復興 を 果たし つつ ある 南米チリ の デチャト市 が 採用 し た 手法 だ 。
 18移動可能診療所 や 住民 の 足 と なる バス など の 交通網 を 整備 する に は 、 空港民営化 に 用い られる こと の 多い コンセッション契約 が 有効 。
 19土地 や 施設 の 所有権 は 自治体 に 残し 、 期限付き で 事業権 のみ を 民間 に 売却 する 。
 20これら の 事業 を 東北 が 主体的 に 実現 する ため に は 、 東北 の 各自治体 が 参加 する 東北開発庁 の 設立 が 必要 に なる 。
 21国 の 関与 は 資金提供 のみ に とどめ 、 開発庁 は 東北域内 で 県間 、 市町村間 の 調整役 を 果たす 。
 22チームリーダー の エリス・バードンさん は 「 経済再生 を 急ぎ たい 気持ち は 分かる が 、 性急 に 開発 を 進める の で は なく 、 三陸 の 美しい 海岸線 を 残す こと が 将来 、 大きな 財産 に なる 」 と 話し た 。
 23< ハーバード大デザイン大学院 > 1914 年 設立 。
 24建築学 、 都市計画学 など を 専攻 する 専門職大学院
 25◎ お好み日本
 26/ 6 県 の 多様性 重視
 27/ 建築・土木・測地学大大学院
 282020 年 を 目標年 と する 中期計画 と 、 50 年 を 目途 と する 長期計画 に 分け 、 東北 の 未来 を 描い た 。
 29津波 の 浸水域 から 非浸水域 へ 、 暮らし や 経済活動 の 無理 の ない 段階的 な 移転 を 目指す 。
 30中期計画 は 、 被災 し た 沿岸地域 の 経済再生 に 力 を 注ぐ 。
 31水産養殖業 、 食品産業 など 生産性 の 高い 産業 に 集中投資 す べき だ が 、 その 際 は 過剰投資 に 注意 が 必要 だ 。
 32防災面 で は 、 植樹 や 丘 の 造成 で 津波 の 緩衝帯 を 築く 。
 33長期計画 は 、 一転 し て 沿岸地域 から 内陸 の 非浸水域 へ の コミュニティー移転 を 図る 。
 34現在 、 被災地 で 進め られ て いる 高台移住 を 約40 年 かけ 、 少し ずつ 実施 する 発想 だ 。
 35必要 な 資金 確保 に は 定期賃借権 を 活用 する 。
 36さらに 、 東北 の 目指す べき 将来像 を 「 アジア諸国 から 多様 な 人材 を 受け入れる インキュベーション ( ふ化 ) の 舞台 」 と 提案 し た 。
 37一人一人 が 好き な 具材 を 選ん で 作る 「 お好み焼き 」 を ヒント に 、 東北 6 県 の 県庁所在市近く に 「 お好みキャンパス 」 を 造成 。
 38若い 研究者ら は 、 目的 に応じて キャンパス を 選ぶ 。
 39青森 は 科学技術 、 盛岡 は 健康福祉 、 仙台 は 産業開発 、 秋田 は 政治社会 、 山形 は 農業 、 福島 は エネルギー を 担当 する 。
 40各キャンパス に は 、 世界 の 実践例 を 集める 「 プロジェクトバンク 」 、 産官学 の 人材 が 一堂 に 会する 「 ネットワーク触媒 」 、 市民シンクタンク の 「 アイデアセンター 」 、 資金調達 に関する 情報 を 管理 する 「 資金センター 」 を 置く 。
 41指導教官 の ミレーナ・イリエバ教授 は 「 提案 の 根幹 に ある の は 官民連携 。 東北 の 復興 に は 経済 、 人材 、 知識 の 共有 が 欠かせ ない 」 と 強調 し た 。
 42< 建築・土木・測地学大大学院 > 1942 年 設立 。
 43ブルガリア で 最も 古い 高等工業教育機関
 44◎ 復興の建築学
 45/ 沿岸部 に 避難灯台
 46/ クイーンズランド州立大大学院
 47山地 、 平地 、 海岸線 という 地形的特徴 を 縦軸 、 都市 、 農業 、 漁業 という 産業的特徴 を 横軸 に し て 計 9 パターン の 発展類型 を 提示 し た 。
 48その 上 で 「 産業育成 」 「 避難灯台 」 「 森林再生 」 「 漁業プラットホーム 」 の 4 プロジェクト を 展開 する 。
 49産業育成 は 、 仙台圏 で ビジネス支援 の 専門家 養成 に 力 を 入れる 。
 50仙台市 が 復興 の 目標 に 掲げる 「 日本一 起業 し やすい まち 」 と も 共通 する 発想 だ 。
 51沿岸部 に 整備 する 避難灯台 は 、 一目 で そこ が 避難場所 と 理解 できる ランドマークタワー で ある こと が 重要 。
 52備蓄倉庫 や 地域 の 集会所 として も 活用 する 。
 53三重県大紀町 に ある 防災塔 「 錦タワー 」 が モデル に なる 。
 54避難灯台 の 高さ は 、 予想 さ れる 津波高 の 1.5 倍 以上 、 水圧 を 受け流す 設計 など 建築学 の 知識 を 駆使 し て 提案 し た 。
 55震災遺構 を 改修 すれ ば 、 追悼機能 も 併せ持っ た 施設 に なる と し て いる 。
 56森林再生 は 、 国立公園 を 管理 する 行政 と 、 農林業者 、 企業 が 一体 と なり 、 新しい 植生帯 を 造る プロジェクト だ 。
 57これ によって 集落 を 再生 さ せ 、 持続可能 な 地域社会 を 生み出す 。
 58プロジェクト対象地区 へ の 立地 を 検討 し て いる 企業 に 国立公園 の 管理 を 委託 する など 、 民間 の 力 で 三陸復興国立公園 の 整備 を 加速 さ せ 、 被災地 に ビジターズ産業 を 興す 。
 59漁業プラットホーム は 、 津波 の 影響 を 受け にくい 沖合 に 、 浮動式 の 人工地盤 を 設置 する 。
 60漁協 に 管理 を 任せ 、 洋上市場 など の レクリエーション施設 として 活用 する 。
 61ルイス・カノッサ教授 は 「 震災 を 逆手 に とっ た 発想 で 、 地域社会 の 問題 を 本質的 に 解決 する 提案 を 組み立て た 」 と 話し た 。
 62< クイーンズランド州立大大学院 > 1909 年 設立 。
 63国内トップ 8 校 の 一角 を 占める 州最古 の 大学
 64◎ 講評
 65/ コンペ審査委員 根本祐二東洋大教授
 66/ 示唆 に 富む 発想
 67国際学術コンペ審査委員 の 根本祐二東洋大教授 ( 公共政策 ) は 、 優秀 3 校 の 論文 に は 「 日本 に対する 三 つ の 示唆 が 含ま れ て いる 」 と 講評 。
 68「 復興 の 今後 を 考える 上 で 参考 に し て ほしい 」 と 話す 。
 69示唆 の 第1 は 、 完璧 な 安全 を 追い求める の で は なく 「 ある 程度 の リスク を 許容 する 復興 」 だ 。
 70津波 の リスク が 中・低程度 の 地域 で の 住宅開発 、 避難灯台 など の 提案 が それ に 当たる 。
 71二 つ目 は 、 固定的 な インフラ より 「 移動可能 な インフラ を 重視 する 復興 」 。
 72人口減少社会 が 、 インフラ を 維持 し 続ける に は 困難 が 伴う 。
 73医療 の モービルユニット 、 浮動式漁業プラットホーム は 、 比較的 低予算 で 実現可能 だ 。
 74三 つ目 は 、 東北 を ひとくくり に 考える の で は なく 「 各県 が 多様 な 魅力 を 発揮 する 復興 」 。
 75国 の 復興構想 が 6 県 の 役割分担 に 言及 し て い ない の に対し 、 「 お好み日本 」 の 提案 は 、 地域 の 歴史 や 伝統 を 出発点 に し て いる 。
 76根本教授 は 「 復興 の 現状 は 、 交付金 を いくら 使っ た か が 評価 の 目安 に なっ て いる 」 と 問題提起 。
 77「 学生たち の 豊か な 発想 に 学ん で ほしい 」 と 話し た 。
 78◎ コンペ審査委員長 ・ フロリダ大西洋大教授 フランク・シュニッドマンさん ( 64 ) に 聞く
 79/ 目的 の ずれ 監視 を
 80/ 世界 と 交流 し 減災 研究
 81震災 から 3 年 が たっ た 被災地 の 現状 と 復興 の 在り方 は 、 都市計画 の 専門家 の 目 に どう 映っ た の か 。
 82国際学術コンペ の 審査委員長 で 、 フロリダ大西洋大教授 の フランク・シュニッドマンさん に 聞い た 。
 83- 被災地 を 視察 し た 印象 を 教え て ください 。
 84「 東北地方整備局 で は 復興 に 取り組む 国 の 考え方 、 釜石市 や 陸前高田市 で は 被災自治体 の ニーズ 、 そして 地元 の 方々 から は 今 の 心境 を 聞い た 」
 85「 人口 の 減少 や 経済 の 低迷 は 、 震災前 から 東北 が 抱える 難問 で あっ た こと を 確認 でき た 。
 86これら の 問題 を 克服 する こと こそ が 真 の 復興 に なる 」
 87「 従って 重要 な の は 、 何 をもって 復興 を 成し遂げ た と する か という 目標設定 だ 。
 88復興 の 目的 が 時間 の 経過 とともに ずれ たり し ない よう 市民 は 監視 し 続け て ほしい 」
 89- 復興 の 現状 を どう 見 まし た か 。
 90「 面談 し た 被災地 の 首長 は 『 一 日 でも 早く 復興 し たい 』 との 姿勢 が 際立っ た 。
 91これ に対し 、 政府 の 小泉進次郎復興政務官 は 会談 で 『 国 として 取り組む べき は 、 いかにして 東北 に 持続可能性 の 種 を 植える か だ 』 と 強調 し て い た 」
 92「 スピード を 重視 すれ ば 拙速 を 招く 。
 93合意形成 に 時間 を かけれ ば 復興 が 止まっ た よう に 見る 。
 94被災地 は 今 、 短期的復旧 と 長期的復興 の バランス に 苦悩 し て いる と 感じ た 」
 95- 「 東北再生への提言 」 の 評価 は 。
 96「 3 分野 11 項目 の 提言集 を 詳細 に 仕分け する と 、 実に 700 も の 事柄 が 盛り込ま れ て いる 。
 97東北 の 課題 や 進む べき 針路 を 、 私たち 外国人 が 知る 上 で 有益 な 教材 だっ た 」
 98「 学生たち は 、 提言 が 実行 に 移さ れ た 場合 、 震災 から 40 年後 の 2050 年 に どのような 東北 が 立ち現れる か 、 そして 、 それ は 復興 の 本来 の 目的 と 合致 し て いる か を 徹底的 に 話し合っ た 」
 99「 提言 に 基づい て 40 年後 の 東北 を より よい もの に する の は 私たち の 世代 で は なく 、 若い 人たち だ 。
 100学生たち の 論文 は 、 外 から で ない と 気付か ない 点 、 気付い て い て も 当事者 は 言い出せ ない こと を 鋭く 指摘 し て いる 」
 101- 審査委員長一押し の 提案 は 何 です か 。
 102「 個人的 に は クイーンズランド州立大大学院 の 避難灯台 を 推し たい 。
 103人々 が 徒歩 で 旅 を し て い た 時代 、 日本 で は 1 日 に 歩ける 距離 を 目安 に 宿場町 を 置い た 。
 104宿場町 は 避難場所 の 機能 も 有し て おり 、 避難灯台 の 概念 は 昔 から あっ た と 言える 」
 105「 同様 に 馬車 で 大陸 を 横断 し て い た 時代 の 米国 で も 、 教会 が 避難場所 の 役割 を 果たし て い た 。
 106自然災害 は 世界中 どこ でも 起こり 得る と 考えれ ば 、 避難灯台 は 一種 の 普遍性 を 秘め て いる 」
 107- 東北 へ の 助言 を お願い し ます 。
 108「 震災後 の 東北 に は 、 世界中 から ボランティア が 訪れ て いる 。
 109こうした 交流 を 大切 に し て ほしい 。
 110自然災害 へ の 対処 は 世界的課題 で も ある 。
 111世界中 の 研究者 が 東北 に 集まり 、 被災地 で 減災 を テーマ に し た 研究 に 取り組め たら 素晴らしい 。
 1121 年後 に 仙台 で 開か れる 国連防災世界会議 を 、 その キックオフ に し て ほしい 」
 113< FrankSchnidman > 1949 年 、 米国ニューヨーク州生まれ 。
 114大都市 と 地方 の 研究 に関する ニューヨーク州合同立法委員会事務局長 、 マイアミ大法科大学院事務局長 など を 経 て 現職 。
 115専門 は 都市計画学 。