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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/06/19
source:K201406190A0T10XX00201
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1透明な力を災後の子どもたち
 2/ 専門家 4 人 に 聞く
 3/ 生きる 、 全て を 糧 に
 41 月 から 掲載 し て き た 連載 「 透明な力を災後の子どもたち 」 は 、 東日本大震災 と 福島第1原発事故 後 の 東北 に 生きる 子ども と 家族 の 姿 を 見詰め て き た 。
 5子どもたち が 未来 を 切り開く ため に 必要 な 「 力 」 は 何 か 。
 6支援活動 など に 携わる 4 人 に 連載 を 振り返っ て もらい 、 あらためて 考える 。
 7( 震災 と 子ども 取材班 )
 8◎ いわてこどもケアセンター副センター長 八木淳子さん
 9/ 身近 な 大人 、 役割 実感
 10連載 を通し 、 どの 家族 、 どの 子ども に も 、 それぞれ の 物語 が あり 、 歴史 が ある こと を あらためて 感じ た 。
 11臨床 の 場 で も 経験 する こと だ が 、 悲しみ や 苦しさ と 向き合う 中 で 、 自ら 成長 し て いく 子どもたち の 姿 は 、 神々しい まで に 輝い て いる 。
 12第4 、 6 部 で は 、 震災 や 原発事故 で 、 住み慣れ た 故郷 を 離れ たり 、 家族 と 分かれ て 暮らさ ざる を 得 なかっ たり する 子ども が 描か れ て い た 。
 13生活環境 の 激変 に さらさ れ た とき 、 子どもたち が 抱える 戸惑い や 孤独感 、 苦悩 が いかに 複雑 で 深い もの な の か 、 記事 は あらためて 示し て いる 。
 14子どもたち は それぞれ の 思い を 持ち 、 人々 と 出会う 中 で 、 現実 に 向き合い 適合 し て いこ う と 生き て いる 。
 15彼ら に 本来 備わる 強さ を 引き出す ため 、 周囲 の 大人 が 何 を す べき な の か を 考え させ られる 。
 16岩手医大 など が 関わっ た 被災地 の 子ども と 親 を 対象 に し た 厚生労働省研究班 の 調査 で 、 興味深い 結果 が 出 た 。
 17近所 の 助け合い など 「 ソーシャルキャピタル ( 地域資源 ) 」 に対し 、 親 が どの ぐらい 信頼 を 寄せ て いる か 調べ た 。
 18その 結果 、 信頼 の 度合い が 高い 親 ほど 、 子ども の 問題行動 が 減少 する こと が 分かっ た 。
 19実際 に 支援 を 受け た かどうか は 関係 なく 、 「 地域 を 信頼 し て いる 」 「 周囲 と つながっ て いる 」 かどうか が 重要 。
 20人 と の つながり が 大事 だ という こと が 裏付け られ た 。
 21専門知識 を 持っ て い なく とも 、 普段 から 子どもたち に 関わる 大人 が 、 その 子 を ちゃんと 見 て いれ ば 、 自然 な 形 で サポート が できる 。
 22たった 1人 でも 自分 の こと を 真剣 に 気 に 掛け て いる 人 が いる ん だ と 、 思っ て もらえる こと が 大切 だ 。
 23宮城県山元町山下一小 の 取り組み を 紹介 し た 第7 部 で は 、 トラウマ と 「 向き合う 」 こと で 回復 し て いく 子どもたち の 様子 が 描か れ て い た 。
 24「 怖い 体験 は 思い出し たく ない 。
 25怖い から 避ける 」 。
 26こういった 状態 は 一時的 に は 傷つい た 心 を 守る 効果 も ある が 、 長期的 に は 、 トラウマ記憶 が 膨らん で しまう 。
 27そうした 事情 を 理解 し 、 子どもたち が 自分 の 思い を 表現 する の を 手助け する 必要 が ある 。
 28担任 の 先生 の 理解 と 見守り の 中 、 友達 を 失っ た 幼児 が 時 を 経 て 言葉 に し た 「 忘れ ない よ 」 の 作文 は 圧巻 だっ た 。
 29信頼 できる 大人 や 支援者 が そば に い て リード し 、 仲間 と 支え ながら つらい 体験 を 整理 し て いく 。
 30その 過程 は 、 ポスト・トラウマティック・グロース ( 心的外傷後成長 ) を 促す 、 大きな 一 歩 に なる だろう 。
 31< やぎ・じゅんこ > 福島医大卒 。
 32宮城県子ども総合センター職員 、 盛岡少年刑務所医務課長 など を 経 て 、 13 年 4 月 から 現職 。
 3346 歳 。
 34山形市出身 。
 35◎ 雄勝環境教育センター代表 徳水博志さん
 36/ 前 向く 力 、 湧く 学び を
 37子どもたち は 震災 で 、 家族 や 友人 、 学校 、 地域 と の つながり を 一瞬 で 失っ た 。
 38つながり を つくり直し 、 子ども 自身 が 抱える 問題 を 解決 できる 学び が 今 、 求め られ て いる 。
 39宮城県山元町 の 小学校教員 が 実践 し た 授業 が 、 第7 部 で 紹介 さ れ て い た 。
 40友達 を 失っ た 子ども が 仲間 や 教師 に 支え られ 、 つらい 記憶 を 語る こと で 現実 を 受け入れ 、 前 を 向く 力 を 得 た よう に 見え た 。
 41そこ に 、 震災体験 と 向き合う ため の 大きな ヒント が 示さ れ て いる 。
 42津波 で 甚大 な 被害 を 受け た 石巻市雄勝小 の 教員 として 、 心療内科医 の 助言 を 受け ながら 、 同様 の 取り組み を 試み た 。
 43津波 が 恐く て 雄勝 に 行け なかっ た 女児 は 、 俳句 や ジオラマ 、 版画制作 など を通じ 、 恐怖心 を 克服 でき た 。
 44友人 や 家族 と の 楽しかっ た 思い出 を 取り戻し 、 「 自分 の 土台 」 を 再確認 でき た から だ 。
 45震災 から 3 年 以上 たっ て も 、 まだ 未来 に 気持ち が 向か ない 子 も いる 。
 46前 を 向く タイミング は それぞれ で 、 震災体験 と の 向き合い方 を 身に付け て いれ ば 、 必要 な 時 に 使う こと が できる 。
 47被災地 の ほとんど の 学校 は 「 腫れ物 に は 触れ ない 」 といった 風潮 の よう だ 。
 48表面的 に 学校 を 震災前 の よう に 戻し て も 、 子ども の 苦悩 そのもの に 向き合わ なけれ ば 、 本当 の 安心 は 取り戻せ ない 。
 49第10 部 で は 、 復興まちづくり に 関わる 子どもたち の 思い に 触れ て い た 。
 50NGO の 調査 で は 、 古里 の 復興 に 貢献 し たい と 願う 子ども の 割合 は 高い と さ れる 。
 51まちづくり へ の 参加 は 、 子ども の 要求 に 沿っ た 学び だ と いえる 。
 52雄勝小 で も 、 児童 に 復興まちづくり案 を 考え て もらっ た 。
 53ゲームセンター や 大型商業施設 が 欲しい と 言っ て い た 子どもたち が 、 仮設住宅 で 住民 の 切実 な 悩み を 聞き 、 考え が 変わっ た 。
 54当事者意識 が 生まれ た の だ 。
 55内容 の 一部 は 復興計画案 に 採用 さ れ た 。
 56復興まちづくり で 重要 な の は 、 大人 が 「 子ども は 地域 の 後継者 」 という 意識 で 捉える こと だ 。
 57本気 で 意見 を 尊重 する 姿勢 が 欠かせ ない 。
 58タイトル 「 透明な力を 」 は 、 宮沢賢治 の 「 春と修羅 第3 集 」 の 詩 から 引用 さ れ て いる 。
 59その 一節 に 「 泣き ながら からだ に 刻ん で いく 勉強 が ( 中略 ) これ から の あたらしい 学問 の はじまり な ん だ 」 と ある 。
 60「 あたらしい 学問 」 とは 何 か 。
 61震災体験 そのもの を 教材化 し た 、 被災地独自 の 学び が ある の で は は ない か 。
 62子どもたち に 意味 の ある 学び によって 前 を 向く 力 、 すなわち 「 透明 な 力 」 が 湧き上がる こと を 望み たい 。
 63< とくみず・ひろし > 立命館大卒 。
 6414 年 3 月 に 退職 する まで 約30 年 、 宮城県内 の 小学校 で 教員 を 務め た 。
 65石巻市雄勝小 に は 震災前後 の 10 年間 勤務 。
 6660 歳 。
 67宮崎県都城市出身 。
 68◎ ふくしまキッズ実行委員長 進士徹さん
 69/ 多様 な 考え に 触れ て
 70福島第1原発事故 による 被ばく から 福島 の 子どもたち を 守ろ う と 2011 年 夏 、 全国 の 自然学校 など で 受け入れ て もらう 「 ふくしまキッズ 」 を 始め た 。
 71緊張感 や ストレス が 子ども に 与える 影響 は 大きい 。
 72保護者 の 不安 が 子ども の 態度 に も 表れ て いる ケース が 、 とりわけ 事故直後 に は 多く 見 られ た 。
 73作文 に 「 いらいら し て きょうだい に 八つ当たり し て しまう 」 とか 、 「 気持ち を コントロール でき ない 」 など と 書く 子ども も い た 。
 74第6 部 は 原発事故 で 避難生活 を 送る 家族 の 物語 だっ た 。
 75それ まで の 暮らし を 一変 さ せ られ 無念 だっ たろ う と 思う 一方 で 、 自分 の 進路 を 見つけ て 歩き だし た 子ども の 姿 に 救わ れる 思い が し た 。
 76第8 部 は 「 集う 」 を テーマ に 、 家庭 で も 学校 で も ない 第3 の 居場所 の 大切さ を 紹介 し て い た 。
 77原発事故 の ストレス が あっ て も 、 それ を 糧 に する 力 が 子ども に は ある 。
 78ふくしまキッズ の 参加者 も 、 異なる 年代 の 子 と 共同生活 を 送っ たり 、 事故後 の 避難 の 様子 を 他県 の 子 に 伝え たり する 経験 を通じて 、 心身 を たくましく 成長 さ せ て いる 。
 79原発事故 や 放射線 に対する 考え方 は 家庭 ごと 、 個人 ごと に 異なる 。
 80事故 をめぐって 、 子ども の 聞く 言葉 が 常に 温かい もの と は 限ら ない 。
 81だからこそ 、 子どもたち に は さまざま な 考え の 人 と 交わり 、 互い に 切磋琢磨(せっさたくま) し ながら 人生経験 を 積ん で ほしい 。
 82どう 考え 、 どう 行動 する か を 判断 する 力 、 すなわち 「 生き抜く 力 」 を 身に付ける ならば 、 原発事故 の マイナス を プラス に 変え られる 。
 83いま 心配 な の は 、 さまざま な 無償 の 支援 を 当然 と 思う 雰囲気 が 生まれる こと だ 。
 84ふくしまキッズ に 参加 し た 小学校高学年 の 子どもたち が 「 福島ビーム 」 という 言葉 を 使う こと が あっ た 。
 85県外 の 受け入れ先 で 「 福島 から 来 た 」 と 言え ば 何 でも し て もらえる という 意味 。
 86支援 が 子ども を ゆがめ て しまわ ない よう 、 指導 する 大人 が 気を付ける 必要 が ある 。
 87< しんし・とおる > 駒沢大卒 。
 8895 年 に 福島県鮫川村 で 自然体験教室 を 始め 、 03 年 に NPO法人 「 あぶくまエヌエスネット 」 を 設立 。
 8911 年 5 月 から 「 ふくしまキッズ 」 実行委員長 。
 9057 歳 。
 91東京都出身 。
 92◎ 災害子ども支援ネットワークみやぎ代表世話人 小林純子さん
 93/ 寄り添う 人 、 育成 必要
 94震災 で 亡くなっ た 家族 の 話 や 被災体験 を 、 子ども が 口 に し ない こと を 心配 する 保護者 が 少なく ない 。
 95第9 部 「 里親と暮らす 」 で 紹介 さ れ た 、 おい の 面倒 を 見る 女性 も そういった 悩み を 抱え て い た 。
 96「 我慢 させ て いる ん じゃ ない か 」 と 思う 伯母 の 気持ち が とても 切なかっ た 。
 97子ども の 電話相談 「 チャイルドライン 」 を 続け て き た 経験 から 言え ば 、 子ども は 頼り に し 、 愛し て ほしい と 願う 相手 に ほど 弱音 は 吐か ない 傾向 が ある 。
 98心配 を 掛け たく ない と 思う から だ 。
 99被災地 で は まだ 、 保護者 が 大変 な 時期 の ため 、 子ども が うまく 甘え られ ない 面 も ある 。
 100生活再建 が 進ん だ 後 に 、 子ども の 不満 が 噴出 する こと も あり 得る 。
 101チャイルドライン の 集計 で は 、 2011 年 に 宮城県 の 子ども から 寄せ られ た 相談 の うち 、 「 虐待 」 「 暴力 」 「 体罰 」 が 11.6 % を 占め た 。
 102全国平均 の 5 倍 以上 だ 。
 103その 後 、 暴力 に関する 相談 は 減っ た ものの 、 12 年 は 「 妊娠 ・ 性感染症 」 ( 2.5 % ) 、 13 年 は 「 ひきこもり 」 「 自殺 」 ( 1.9 % ) に関する 相談 が 増え た 。
 104一部 の 子ども の 問題 が より 深刻化 し て いる こと が うかがえる 。
 105親 の 次 に 身近 な 存在 で ある 学校 の 先生 に 相談 できれ ば いい が 、 先生 は 子ども からすると 「 通信簿 を つける 人 」 。
 106いい ところ を 見せ たい と 考える 。
 107スクールカウンセラー を 「 先生 と つながっ て いる の で は ない か 」 と 疑う 子 も いる 。
 108親 で も 先生 で も なく 、 子ども が 自分 を さらけ出せる 存在 が 必要 だ 。
 109被災地 で 遊び場づくり や 学習支援 を 展開 する NPO など の スタッフ や 大学生 ら が 適任 だ 。
 110子ども の 気持ち を 受け止め られる よう 、 彼ら が 専門家 の 指導 を 受け 、 スキルアップ できれ ば いい 。
 111虐待 など 深刻 な 問題 が 疑わ れる 事案 が あれ ば 、 児童相談所 に 通告 する など 適切 な 対処 も できる よう に なる 。
 112震災 から 3 年 が 過ぎ 、 地域外 から の 支援 は 減少傾向 に ある 。
 113行政 は 、 子ども に 関わる 活動 を 続け て いる 地元 の 人 や 団体 を 積極的 に 支援 し て いく べき だ 。
 114< こばやし・じゅんこ > 宮城学院女子大卒 。
 115NPO法人 「 チャイルドラインみやぎ 」 代表 。
 11611 年 4 月 、 子ども の 支援団体 や 個人 で つくる 組織 「 災害子ども支援ネットワークみやぎ 」 の 代表世話人 に 就任 。
 11763 歳 。
 118秋田市出身 。