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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/01/11
source:K201401110A0T20XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)

 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2/ むすび塾 海外編
 3巡回ワークショップ @ チリ ( 下 )
 4/ タルカウアノ市
 5/ 車避難 、 ルール化 必要
 6タルカウアノ市 の むすび塾 は 8 日 、 ビジャ・マル町内会集会所 で 開き 、 複数 の 町内会 の 役員ら 4 人 が 出席 し た 。
 7チリ大地震津波 で は 市内 で 23 人 が 亡くなり 、 開催 し た 地域 から も 犠牲者 が 出 た 。
 8津波 から 避難 する 場合 の 高齢者支援 や 自動車 の 利用 について 意見交換 し た 。
 9現地 で は 「 思い出し たく ない 」 との 理由 で 、 2013 年 10 月 の 避難訓練 は 参加者 が 少なかっ た 。
 10木村理事長 は 冒頭 、 「 まだ 悲しみ は 癒え ない かも しれ ない が 、 子ども や 孫 を 守る ため に 避難対策 を 考え て み よう 」 と 提案 し た 。
 11参加者 は 、 高齢者 の 避難 に 試行錯誤 し て いる 地域 の 現状 を 説明 し た 。
 12ある 町内会 は 高齢者 の 人数 や 住所 の ほか 、 手助け が 必要 かどうか を 把握 する 責任者 を 決め て い た 。
 13避難訓練 で 避難路 の 表示板 の 見やすさ を チェック し たり 、 車いす で 避難 する 際 の 問題点 を 調べ たり し た 地域 も あっ た 。
 14後藤さん は 「 災害時 は 家族 や 近所 、 職場 の 人 で 助け合う 『 共助 』 が 重要 に なる 。 日中 に 地域 に いる 住民たち で 、 高齢者 を 支援 する ネットワーク を つくっ て は どう か 」 と アドバイス し た 。
 15車避難 に伴う 渋滞 の 危険性 は 、 チリ で も 認識 さ れ て い た 。
 16車 の 所有台数 は 多い が 、 どの 町内会 も 地域 に 何 台 の 車 が ある か 把握 し て い なかっ た 。
 17車 で 逃げる こと を 想定 し た 避難訓練 は 実施 し て い ない と いう 。
 18道路幅 が 狭い こと も 不安材料 だ 。
 19日本 で は 震災 を 契機 に 、 車避難 が 原則 禁止 から 、 条件付き で 容認 へ と 変更 さ れ た 。
 20木村理事長 は 「 みんな が 一斉 に 使え ば 渋滞 する 。 車 を 避難 に 生かす に は 、 高齢者 を 逃がす 車 に 限定 し 、 経路 も 決める など 地域 の ルールづくり が 必要 だ 」 と 解説 し た 。
 21チリ大地震津波 の 発生時 、 政府 は 被害状況 を 確認 せ ずに 津波警報 を 早々 に 解除 し た 。
 22当時 の 大統領 も 「 もう 津波 は 来 ない 」 と ラジオ で 呼び掛け た 。
 23その 後 、 津波 に 襲わ れ た ため 、 犠牲 が 拡大 し た という 見方 が ある 。
 24今 も 多く の 遺族 が 当時 の 政府 の 対応 に 怒り を 抱く 。
 25避難指示 について 、 地元 の 参加者 が 、 日本 の 防災行政無線 の よう な 通信システム の 整備 を 望む 意見 を 述べ た 。
 26これ に対し 、 話し合い を 見守っ て い た 遺族ら は 「 技術 に 依存 する の は 危険 。 自分 の 感覚 や 経験 を 生かし 、 自ら 避難 する こと が 大切 だ 」 と 訴え た 。
 27ビジャ・マル町内会 で 、 緊急対応委員会責任者 を 務める イルマ・ビジャヌエバさん ( 51 ) は 「 日本 も 津波 で 大きな 被害 が 出 て 、 津波避難 について 同じ よう な 悩み を 抱え て いる こと を 知っ た 。 車避難 の ルール は チリ に は ない 考え方 で 、 ワークショップ は 非常 に 参考 に なっ た 」 と 語っ た 。
 28◎ 語り部 から
 29< わが 身 守る 姿勢 に 共感
 30/ 宮城県 南三陸町 ・ 農業 後藤一磨さん ( 66 ) >
 31チリ の 漁師たち は 海 と 向き合う 生き方 を 長年 続け て き た ため 、 地震後 すぐ に 津波襲来 を 予期 し て 、 高台 に 避難 し た と いう 。
 32自然 に は 勝て ない と 理解 し 、 揺れ たら 逃げる 意識 が 染みつい て いる 。
 33私 は 1960 年 の チリ地震津波 を 経験 し て いる 。
 34東日本大震災 が 発生 し た 後 も 「 津波 が 来る 」 と 直感 し 、 急い で 家族 と 高台 に 逃げ た 。
 35津波警報 の よう な 情報 に 頼ら ず 、 自分 の 感覚 と 経験 を 大切 に する 姿勢 は 一緒 で 、 共感 を 覚え た 。
 36海 は 時々 人間 の 暮らし を 壊す が 、 普段 は 恵み を 与え て くれる 。
 37人間 が 、 海 によって 生かさ れ て いる 存在 で ある 以上 、 自然 と うまく 付き合っ て いく 必要 が ある 。
 38だからこそ 、 一人一人 に わが 身 を 守る 意識 が 不可欠 だ 。
 39その よう な 話 を し た とき 、 チリ の 人たち も うなずい て い た 。
 40日本 と は 太平洋 を 挟ん で 離れ て いる が 、 根底 に ある 思想 は 共通 な ん だ と 思う 。
 41一方 で 、 宗教 の 影響力 の 大きさ に 驚い た 。
 42地震 や 津波 を 神様 の 罰 と 捉える 考え が 根強く 、 伝承 を 妨げ た 可能性 が ある と いう 。
 43少し ずつ 認識 は 変わっ て いる の だろう が 、 防災教育 を通して 、 自然科学 を 学ぶ 必要 が ある の で は ない か 。
 44昨年 、 南三陸町 の 高校生 3 人 が 、 研修 で チリ を 訪問 し た 。
 45チリ から は モアイ像 が 贈ら れ 、 町 の 震災復興祈念公園 に 設置 する 構想 が ある 。
 46被災地 に 不足 し て いる の は 、 明日 へ の 希望 だ 。
 47モアイ は 現地語 で 「 未来 に 生きる 」 の 意味 だ と いう 。
 48地域 の 将来 を 担う 若者 を 見守っ て ほしい 。
 49◎ むすび塾 に 参加 し て
 50< ビジャ・マル町内会 の 緊急対応委員会責任者 の イルマ・ビジャヌエバさん ( 51 ) >
 512005 年 に 津波警報 の 誤報 が あり 、 チリ大地震津波 の 際 も 警報 に 半信半疑 で 混乱 し た 。
 52警報解除後 に 来 た 津波 で 犠牲 が 出 た 一方 、 漁師たち は 自分たち の 考え で 避難場所 に とどまっ た 人 も 多かっ た 。
 53むすび塾 に 参加 し 、 津波避難 で の 車利用 に は 、 課題 が 多い こと を 再認識 し た 。
 54< ロクアン町内会元会長 の ルイサ・バラさん ( 51 ) >
 55東日本大震災 の 体験談 を 聞き 、 チリ の 何 倍 も の 被害 が 出 た こと に 言葉 を 失っ た 。
 56震災 の 津波 は 小規模 ながら チリ に も 到達 し 、 警報発表後 の 高齢者 の 避難 が 問題 に なっ た 。
 57発生 から 12 時間 の 猶予 が あっ た ほか 、 警察 も 手伝っ て くれ た ので 搬送 でき た 。
 58大津波 が 短時間 で 襲来 する とき 、 うまく 対応 できる か 不安 だ 。
 59< ヌエバ・ラス・サリナス町内会長 の フアン・マルティーネスさん ( 56 ) >
 60車避難 について 町内会 で 何 度 も 話し合っ て いる 。
 6150~60 台 の 車 が 避難 を 開始 する と 、 渋滞 で 動か なく なる こと が 予想 さ れる 。
 62避難訓練 も 徒歩 で しか 取り組ん で い ない ので 、 実際 に どのような こと が 起こる か 分から ない 。
 63日本 の 取り組み を 参考 に 、 課題 の 解決 を 目指し たい 。
 64< ビジャ・マル町内会長 の フリア・ガルシアさん ( 50 ) >
 65チリ は 地震 に対して 備える 文化 が 不十分 だ 。
 66学校 で の 防災教育 とともに 市民 へ の 啓発 が 必要 だ と 考え て いる 。
 67タルカウアノ市 は 今後 も 津波 の 襲来 が 想定 さ れる ため 、 きちんと 対策 を 進め 、 訓練 を 実施 し なけれ ば いけ ない 。
 68◎ 課題共有 、 大きな 意義
 69/ 減災・復興支援機構 木村拓郎理事長
 70「 むすび塾 」 の 座長 を 務め た 減災・復興支援機構 ( 東京 ) の 木村拓郎理事長 に 、 チリ で 開催 し た 巡回ワークショップ を 振り返っ て もらっ た 。
 71- 2013 年 4 月 の インドネシア に 続き 、 2 度目 の 海外開催 だっ た 。
 72「 地震 や 津波 に関する 日本 と チリ の 交流 や 協力 は 従来 、 国 など の 公的機関 や 研究者 に 限ら れ て き た 。
 73備え は 地域住民 も 重要 な 役割 を 担う 。
 74今回 、 被災 し た 住民 同士 が 直接 交流 する 機会 を 設ける こと が でき た の は 、 画期的 だ と 思う 」
 75- 津波災害 の 伝承 が 大きな テーマ だっ た 。
 76「 津波災害 は 低頻度 で 発生 する 。
 77対策 を 取る 上 で は 記録 を 残す こと が 重要 だ が 、 チリ で は その 作業 へ の 関心 が 低い よう で 心配 に なっ た 。
 781960 年 の チリ地震津波 の 経験者 も 高齢化 が 進む 。
 79今 の うち に 体験談 を 聞き取り 、 実態 を 調べ て ほしい 」
 80「 防災 ・ 減災 を 強く 意識 し て いる わけ で は ない が 、 家庭内 で は 60 年 の 経験 や 教訓 が 語り継が れ て いる と 感じ た 。
 812010 年 に 多く の 犠牲者 を 出し た オレゴ島 に は 慰霊碑 が 建て られ た 。
 82祈り を 続ける こと で 、 津波災害 の 風化 を 防げる の で は ない か 」
 83- 住民 の 一部 は 、 将来 の 災害 に 備え て 動き だし て いる 。
 84「 住民 自身 が 考え 、 行動 する 意欲 は 、 日本 より 高い と 感じ た 。
 85防災 ・ 減災 に 取り組む 上 で 重要 な 要素 だ 。
 86ただし 、 自分たち の 活動 が 正しい の か 分から ず 、 知恵 を 授け て くれる 人 も い ない よう だ 。
 87課題 を 共有 し 、 一緒 に 解決策 を 探っ た ワークショップ の プロセス に 、 大きな 意味 が ある 。
 88語り部活動 の 重要性 が 認識 さ れ た の も 収穫 だ 」
 89「 日本 の 防災教育 や 避難訓練 へ の 質問 が 多かっ た 。
 90災害対策 を 個人 から 地域 に 広げる 必要性 を 、 チリ の 住民 も 自覚 し 始め て いる 。
 91日本 が 備え の ノウハウ や 情報 を 提供 する こと は 国際貢献 だけ で なく 、 震災後 の 支援 へ の 恩返し に なる 」
 92- チリ で は 、 住宅再建 が 急ピッチ で 進む 。
 93「 復興 の スピード や 産業再生 を 重視 し て いる 。
 94漁師 の 利便性 を 優先 し 、 海辺 に 復興住宅 を 建て て いる 場所 が あっ た 。
 95将来 は 海岸部 に 住む 人 が もっと 増える だろう 。
 96被災時 の リスク を 減らす ため に 、 浸水域 の 居住 を 制限 する 日本 と は 異なる 」
 97- 今後 の 展望 は 。
 98「 巨大津波 へ の 対策 や 、 災害 に 強い まちづくり について 、 日本 、 インドネシア 、 チリ の 住民 同士 が 定期的 に 情報交換 し 、 地域 の 備え を 互い に 生かす こと が できれ ば 有意義 な 活動 に なる 。
 99各地 の 震災遺構 の 保存 や 活用 について も 新しい アイデア が 生まれる かも しれ ない 」
 100< きむら・たくろう > 石巻市 出身 。
 101東北工大卒 、 長崎大大学院博士後期課程修了 。
 1021997 年 に 社会安全研究所 を 設立 。
 1032010 年 に 一般社団法人減災・復興支援機構 を 発足 さ せ 現職 。
 104東日本大震災後 は 宮城県震災復興会議委員 を 務め た 。
 105専門 は 市民防災学 、 災害社会学 。
 10664 歳 。
 107議論 を 聞い て いる うち に 当時 を 思い出し 、 涙ぐむ 女性 も 。
 108津波 で 浸水 し た 沿岸部 に は 、 1 階 が 柱 と 梁 ( はり ) だけ の ピロティ構造 の 復興住宅 が 建設 さ れ た
 109◇ 東日本大震災 の 教訓 を 生かす ため 、 河北新報社 は 地域住民ら と 一緒 に 地震 ・ 津波 に 備える 巡回ワークショップ 「 むすび塾 」 を 開い て い ます 。
 110名称 に は 、 地域 と 人 、 人 と 人 の つながり を 強め 、 防災 ・ 減災 に 結び付け て いき たい との 思い を 込め まし た 。
 111次回 の 「 むすび塾 」 は 21 日 、 宮城県 丸森町 の 金山地区自主防災会 で 開催 し ます 。