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news_KAHOKU_78のコンテキスト表示

title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/01/01
source:K201401010A0FZ0XX00002
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)


 1東北再生 あす へ の 針路
 2/ 提言 から 見る 現状 と 課題
 3/ 本格復興 へ 転換 の 年
 4復旧 から 本格復興 へ 。
 5東日本大震災 から 3 年 近く が 経過 し 、 被災地 は ターニングポイント の 年 を 迎え た 。
 6復興 の 先 に ある の は 、 雄々しく 自立 し 、 豊か に 創造 し 、 固く 結束 する 東北 で あっ て ほしい 。
 7そう 願っ て 河北新報社 が まとめ た 「 東北再生への提言 」 も 、 これ から が 真価 を 問わ れる 局面 だ 。
 83 分野 11 項目 の 提言 を通し 、 東北 の 今 を 検証 する 。
 9◎ 安全安心 の まちづくり
 10/ 住まい 再建 、 地域差 顕在化
 11< 提言 1
 12/ 高台移住 の 推進・定着 >
 13津波浸水域 から の 住宅移転 や 災害公営住宅 の 建設 は 、 当初計画 の 遅れ や 取り組み の 地域差 が 顕在化 し て いる 。
 14前例 の ない 被災規模 に 支援制度 が 追い付い て い ない 実態 は 、 復興庁 の データ ( 2013 年 9 月 末 現在 ) で も 明らか だ 。
 15被災宅地 を 買い上げ て 高台 へ 移転 さ せる 「 防災集団移転促進事業 」 は 、 想定 332 地区 に対し 、 着工 170 地区 ( 51 % ) 、 地盤 の かさ上げ で 現地再建 を 目指す 「 土地区画整理事業 」 は 想定 51 地区 に対し 、 着工 20 地区 ( 39 % ) に とどまっ て いる 。
 16名取市閖上 で は 、 市 が 合意形成 を 後回し に し て 区画整理事業 を 進め た 結果 、 被災住民 の 反発 を 招き 、 計画 に 縮小 や 遅れ が 生じ た 。
 17災害公営住宅 は 、 岩手県 野田村 、 仙台市 、 石巻市 、 相馬市 など で 入居 が 始まっ た 。
 18半面 、 約2万4700 戸 と さ れる 必要戸数 に対し 、 着工済み は わずか 4773 戸 だ 。
 19防災集団移転 の 枠組み から 外れ た 被災住民 も 少なく ない 。
 20そうした 人たち を 救済 し 、 同時 に 新しい まちづくり の 原資 を 確保 する 手だて として 、 特別法 による 定期賃借権 の 設定 が 求め られ て いる 。
 21< 提言 2
 22/ 地域 の 医療 を 担う 人材 育成 >
 23政府 は 13 年 11 月 、 東北 へ の 医学部新設 を 表明 し た 。
 24早けれ ば 15 年 春 に も 開学 する 。
 25特例的 な 措置 で ある ため 、 通常 の 学部設置審査 に 先立っ て 有識者会議 が 新医学部 の 基本構想 を 検討 する 。
 26文部科学省 は 開学 の 条件 に ( 1 ) 地域 の 医療ニーズ に 対応 し た 教育 ( 2 ) 医療現場 に 迷惑 を 掛け ない 教員医師 の 確保 ( 3 ) 卒業 し た 医師 の 地元定着策 ( 4 ) 入学定員 の 柔軟 な 調整 - を 列記 し た 。
 27< 提言 3
 28/ 新た な 「 共助 」 の 仕組みづくり >
 29被災地 へ の 自治体職員 の 派遣 は 、 13 年 5 月 時点 で 全国 511 自治体 、 2056 人 を 数え た 。
 30近年 、 全国 各地 で 風水害 など の 自然災害 が 頻発 。
 31派遣元 の 自治体 は 、 復旧・復興ノウハウ を 実地 で 学べる メリット を 強調 する 。
 32職員派遣 を 契機 に 、 遠隔地 の 自治体 と 相互災害支援協定 を 締結 する 動き も 活発 だ 。
 33ただ 、 こうした 自治体間 の 「 共助 」 を 東北 全体 で 体系化 する まで に は 至っ て い ない 。
 34津波 を 防御 し た 仙台東部道路 の 内陸側 に 立地 する = 仙台市 若林区 荒井東
 35◎ 新しい 産業システム の 創生
 36/ 商品開発販売 、 漁業者 が 挑戦
 37< 提言 4
 38/ 世界 に 誇る 三陸 の 水産業振興 >
 39被災 し た 食品関連産業 を 支援 し よう と 一般社団法人 「 東の食の会 」 ( 東京 ) など が 仕掛ける 「 三陸フィッシャーマンズ・プロジェクト 」 が 、 浜再生 の 起爆剤 として 注目 を 集め て いる 。
 40石巻産 の 特大ホタテ 「 デカプリホ 」 の ブランド化 を 手始め に 、 被災 し た 漁業者 や 水産加工業者 が 商品開発 や 販売 の こつ を 学ぶ キャンプ を 各地 で 開催 。
 41漁業者 自身 が 水産物 の ネット販売 を 始める など 、 生産者 と 消費者 が 直接 結び付く 新しい 漁業 へ の 挑戦 が 始まっ て いる 。
 42< 提言 5
 43/ 仙台平野 の 先進的 な 農業再生 >
 44被災農地 の 再生 を 進め て いる さなか 、 環太平洋連携協定 ( TPP ) で の 関税撤廃議論 や 政府 の 減反廃止方針 が 持ち上がっ た 。
 45仙台平野 で は 、 アイリスオーヤマ が 農業生産法人 「 舞台ファーム 」 と の 共同出資 で コメ流通事業 へ の 本格参入 を 決め た 。
 46< 提言 6
 47/ 地域 に 密着 し た 再生可能エネルギー戦略 >
 48石巻市 の 鹿妻小 を 舞台 に 、 再生可能エネルギー を 総合的 に 管理 する システム の 実証実験 が 始まっ て いる 。
 49手掛ける の は 、 東北大 など で つくる 東北復興次世代エネルギー研究開発機構 だ 。
 50校舎 に 太陽光パネル や 蓄電装置 、 ガスコージェネレーション ( 熱電併給 ) システム 、 電気自動車 へ の 充電設備 を 設置 。
 51子どもたち の 省エネ教育 に も 一役 買っ て いる 。
 52< 提言 7
 53/ 世界 に 先駆け た 減災産業 の 集積 >
 54多賀城市 は 復興計画 の 中核 に 「 減災リサーチパーク 」 構想 を 据え た 。
 55災害 による 被害 を 最小化 する 技術 や 製品 を 開発 し 、 地元 に 減災産業 を 興す 。
 56施設 に は 既に 30 社 が 入居 し て おり 、 省電力 の 人工光 による 野菜栽培 、 災害情報システム開発 など に 取り組ん で いる 。
 57< 提言 8
 58/ 地域再生ビジターズ産業 の 創出 >
 59東北太平洋沿岸 の 自然公園 を 再編 し た 「 三陸復興国立公園 」 、 八戸市 から 気仙沼市 まで の 沿岸 16 市町村 で つくる 「 三陸ジオパーク 」 が 2013 年 、 相次い で 誕生 し た 。
 60優れ た 景観 に加え 、 教育効果 の 高い 震災遺構 に 重点 を 置い た 世界的 に も 珍しい 観光資源 だ 。
 61多様 な 協業化 、 6 次 産業化 など 被災漁民 の 挑戦 と 模索 が 続く
 62◎ 東北 の 連帯
 63/ 広域防災拠点 、 整備着手 へ
 64< 提言 9
 65/ 自立的復興 へ 東北再生共同体 を 創設 >
 66宮城県 は 、 宮城野原公園総合運動場 ( 仙台市 宮城野区 ) 一帯 で 広域防災拠点 の 整備 に 着手 する 。
 67検討会議 は 、 他県 で 広域災害 が 発生 し た 際 に も 支援拠点 の 役割 を 果たす よう 提案 。
 68防災 を キーワード に し た 広域連携 に 期待 が 高まっ て いる 。
 69広域防災拠点 は 、 総合運動場 、 仙台医療センター 、 仙台貨物ターミナル駅 の 計43 ヘクタール を 一体的 に 整備 。
 70災害発生時 に は 警察 、 消防 、 医療チーム など の 人員 6000 人 、 車両 1000 台 が 集結 する 。
 71拠点整備 に 併せ て 宮城県 は 、 ドクターヘリ の 配備 を 決め た 。
 72これ で 東北 に 新潟 を 加え た 7 県 で の 広域運航体制 が 整う 。
 73日本政策投資銀行 は 2013 年 4 月 、 「 震災 の 教訓 を 共有 する 東北 が 一体 で 『 災害リスク対策 』 『 産業復興 』 に 取り組む 必要 が ある 」 と する 分析リポート を 発表 し た 。
 74国内外 の 知見 が 結集 する プラットホーム 「 東北連合体 ( 仮称 ) 」 の 創設 を 提言 し て いる 。
 75< 提言 10
 76/ 東北復興共同債 による 資金調達 >
 77被災企業 と 個人投資家 の 橋渡し を する 民間ファンド が 、 新た な 資金調達 の 仕組み として 存在感 を 増し て いる 。
 78地域社会 の 問題 を 解決 し ながら 収益 を 得る 「 ソーシャルビジネス ( 社会的企業 ) 」 の 先進例 だ 。
 79ファンド の 手法 で 若手音楽家 を 世 に 送り出し て き た 「 ミュージックセキュリティーズ 」 ( 東京 ) は 、 培っ て き た ノウハウ を 、 被災地 で なりわい の 再生 に 応用 する 。
 801 口 1万500 円 で 出資 を 募り 、 手数料 を 除い た 1万 円 を 、 被災企業 の 再生ファンド として 活用 。
 81既に 30 以上 の ファンド を 設立 し 、 調達資金 は 5億 円 を 超え て いる 。
 82出資金 を 機材 や 人材 に 置き換え て 被災企業 を 支援 する NPO や 事業体 も 相次い で 起業 。
 83これ まで ボランティア が 担っ て い た 取り組み を 収益事業 に 衣替え する こと で 、 継続的 な 活動 が 可能 に なる 。
 84< 提言 11
 85/ 交通・物流ネットワーク の 強化 >
 86東北 の 空 の 玄関口 ・ 仙台空港 は 、 16 年 3 月 の 民営化方針 が 正式決定 し た 。
 87格安航空会社 の 定期便 を 増やす など 民間 の 柔軟 な 発想 で 利便性 の 向上 と 収益 の 増加 を 目指す 。
 88平常時 は 多目的広場 を 開放 し 、 防災訓練 など に 活用 する
 89◎ 求め られる 視座 は
 90/ 構想日本代表 加藤秀樹さん ( 63 )
 91/ 被災者 の 声 、 計画 に 反映 を
 92被災者 の 多く は 、 いまだ 復興 の 手応え を 実感 でき ずに いる 。
 93復興 の 新ステージ に 求め られる 視座 とは 何 か 。
 94民間シンクタンク 「 構想日本 」 の 加藤秀樹代表 に 聞い た 。
 95復興 で 本来 考え なけれ ば なら なかっ た の は 、 自然 と の 付き合い方 で あり 、 それ を 踏まえ た 暮らし の 在り方 だ 。
 96それ が 根幹 から 問わ れ た の が 東日本大震災 だっ た 。
 97津波 に 対抗 し て 堤防 を 高く する の は 、 技術力 に 依存 し た 20 世紀 型 の 発想 。
 98こうした 考え方 は 限界 を 迎え つつ ある の だ と 、 私たち は 震災 から 学ん だ の で は なかっ た か 。
 99次 の 文明 に ジャンプ する 方策 を 復興計画 の 基軸 に 据える べき だっ た が 、 現実 に は そう なっ て い ない 。
 100復興 に は 25兆 円 も の 予算 が 投入 さ れる 。
 101ところが 当 の 被災地 は 、 がれき処理 こそ 一段落 し た ものの 、 寒々 と し た 風景 が 今 も 広がっ て いる 。
 102巨額予算 は 一体 どこ で 使わ れ て いる の か 。
 103復興計画 が 県単位 で 検討 さ れ て いる こと に 一 つ の 原因 が ある 。
 104被災県 と 被災地 は 違う 。
 105県庁所在地起点 で 技術論中心 の 復興策 を 練っ た 結果 、 本当 に 助け を 必要 と し て いる 被災地 の 人々 の 生活 が おろそか に なっ て いる 。
 106100 年後 の 生活 を イメージ し ない まま 高台移転 や 、 より 高い 堤防 の 建設 が 決まっ て しまっ た 。
 107ここに来て 堤防高 の 見直し議論 が 、 住民 の 中 から 出 て き た こと は よい こと だ と 思う 。
 108復興 の 担い手 は 自治体 で ある はず だ が 、 予算 を 執行 する 行政 は 、 国 、 県 、 市町村 の 上下関係 と 縦割り構造 から 脱し て い ない 。
 109国 は 細かく 復興特区 を 設定 し て いる が 「 東北丸ごと特区 」 と し 、 従来 の 仕組み を 全部 白紙 に する くらい の 発想力 が 必要 だ 。
 110有識者 の 意見 より 、 被災地 の 現場 、 被災者 の 声 に こそ 復興 の ヒント が ある 。
 111被災者 が 今 何 を 望み 、 どんな 生活 を し 、 何 に 困っ て いる か を 尋ねれ ば 、 リアリティー の ある 復興計画 が できる 。
 112復旧 から 復興 へ と 切り替わる 今年 こそ 、 住民 の 生活視点 で 復興計画 を 見直す 好機 だ 。
 113< かとう・ひでき >
 1141950 年 、 香川県 生まれ 。
 115京大 卒 。
 116旧大蔵省 を 96 年 に 退官 し て 翌97 年 、 構想日本 を 設立 。
 117事業仕分け による 行財政改革 を 提唱 。
 1182009~12 年 、 内閣府行政刷新会議 事務局長 として 政府 の 事業仕分け を 指揮 し た 。