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title:Kahoku Shimpo newspaper article
date:2014/07/11
source:K201407110A0T30XX00001
genre:news
subcorpus:KAHOKU SHIMPO
terms of use:by permission of KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO. (c)


 1いのち と 地域 を 守る 防災 ・ 減災 の ページ
 2/ 北海道新聞社 と 共催 釧路むすび塾 ( 3 )
 3全国編 @ 北海道・釧路市大楽毛地区 < 下 >
 4◎ 避難場所 に 不安 も
 5/ 寒さ対策 、 毛布 保管 を
 6/ タワー建設 、 要望 大切
 7むすび塾 開催 に 合わせ て 住民 30 人 を 対象 に 実施 し た アンケート に 基づく 議論 も あっ た 。
 8住民 の 8 割 が 避難先 へ の 不安 を 訴え 、 特に 冬場 の 寒さ対策 を 案じる 声 が 目立っ た 。
 9東日本大震災 で は 、 津波 の 難 を 逃れ た 後 、 低体温症 が 多発 し 、 亡くなっ た 人 も い た 。
 10さつき町内会長 の 亀卦川正一さん ( 79 ) は 「 3 月 なら 釧路 の 最低気温 は マイナス 20 度 前後 、 昼 でも プラス に なる かどうか 。 屋外 で は 凍死 し て しまう 」 など と 話し た 。
 11木村理事長 は 、 避難先 に あらかじめ 、 毛布 や 防寒具 を 保管 する こと を 勧め た ほか 、 「 車 は 暖房 が 使え て 情報 も 入手 できる 」 と 話し 、 車 の 有効活用 を 呼び掛け た 。
 12大楽毛地区 に 似 た 土地 の 条件 で 被災 し た 語り部 3 人 も 参加 し 、 震災 の 教訓 を 伝え た 。
 13宮城県 七ケ浜町 の 指定避難所 で 津波 に のま れ 、 一緒 に 避難 し た 祖母 を 亡くし た 渡辺さん は 「 避難所 に も 津波 は 来る こと が ある 。 できるだけ 高い 所 に 逃げ て 」 と 訴え た 。
 14椎井さん は 、 社員 300 人 と 高台 へ 徒歩避難 し た 経緯 を 説明 し 、 正確 な 情報 に 基づく 素早い 判断 の 重要性 を 強調 。
 15野田さん は 、 女川消防署 の 屋上 で 津波 に 流さ れ た 体験 から 「 事前 に 複数 の 策 を 考え 、 最悪 の 事態 を 回避 し て ほしい 」 と 話し た 。
 16住民たち が 日頃 の 備え について 助言 を 求める と 、 語り部たち は 「 車 の ガソリン は 満タン に する 」 「 避難 の 時 に 足 を 傷つけ ない よう に 、 寝室 に 靴 を 置く 」 「 トイレ用 に 普段 から 湯船 に お湯 を 入れ て おく 」 など と 答え た 。
 17大津波 を 想定 し 、 大楽毛地区連合町内会 は 積極的 に 、 対策 に 取り組ん で き た 。
 18避難先 の 王子マテリア釧路工場 の 建物 は 、 同社 と 協定 を 結ん で 確保 。
 19市 に対して は 、 避難タワー の 建設 を 要望 し て いる 。
 20「 短期 と 長期 の 課題 を 分け て 考え 、 要援護者 を 運ぶ 優先車両 は すぐ に 地域 で 相談 し 、 避難タワー は 継続 し て 行政 に 整備 を 働き掛ける べき だ 」 と 木村理事長 。
 21備え の 心構え として ( 1 ) 危機感 を 持ち 続ける ( 2 ) 避難対策 を 諦め ずに 知恵 を 出す ( 3 ) いろんな 対策 に チャレンジ する - の 3 点 を 挙げ 、 住民 に エール を 送っ た 。
 22連合町内会長 の 中村さん は 「 津波 の 体験者 の 話 を 聞い て 、 住民 の 防災意識 が 高まっ た と 思う 。 今後 も 地域 の 防災 の 充実 に 努力 し たい 」 と 述べ た 。
 23◎ むすび塾 に 参加 し て
 24/ 北海道 ・ 釧路市大楽毛地区
 25< さつき町内会長 ・ 亀卦川正一さん ( 79 ) >
 26隣 の 人 を 置い て 自分 だけ 逃げ られる か は 疑問 だ 。
 27自助 と 共助 の 兼ね合い を どう する の か 、 考え なけれ ば なら ない 。
 28東日本大震災 で は 低体温症 で 亡くなっ た 人 が 多かっ た 。
 29釧路 の 3 月 の 最低気温 は 氷点下 20 度 前後 で 、 逃げ られ て も 凍死 する 。
 30津波 で 犠牲 を 出す こと の ない 避難場所 を 確保 し たい 。
 31< 大楽毛地区連合町内会長 ・ 中村啓さん ( 76 ) >
 32避難 に 使う 車 が 渋滞 で 動け なく なる こと を 想定 し た 訓練 で 、 課題 が 見え て き た 。
 33地震 で 信号 が 作動 し なかっ た 場合 、 車 の 多い 幹線道路 を どのように 横断 する の か 。
 34道路 を 渡ら ない と 指定避難先 に は たどり着け ない 。
 35徒歩 と 車 の 避難 を どう 組み合わせれ ば いい の か 、 連合町内会 で 議論 し たい 。
 36< 光栄町内会長 ・ 土岐政人さん ( 63 ) >
 37震災後 、 大楽毛地区 の 津波想定 が 変わり 、 避難先 と し て い た 場所 が 使え なく なっ た 。
 38将来的 に は 避難先 の 選択肢 を 増やす こと が 必要 と なる 。
 39訓練 を 重ねる の に伴い 、 訓練慣れ する 住民 も いる 。
 40常時 、 緊張感 を つくり出す こと に は 苦労 し て いる 。
 41それでも 参加 し て もらえれ ば 逃げる 癖 が 付く 。
 42◎ 語り部 から
 43< 渡辺英莉さん ( 22 ) = 東北学院大 4 年 =
 44/ 過信 は 禁物 まず 避難 >
 45波 が 引く と 、 そこ に い た はず の 祖母 の 姿 が あり ませ ん でし た 。
 46宮城県 七ケ浜菖蒲田浜 の 自宅 そば の 海抜 10.8 メートル の 高台 で 、 祖父母 と 3 人 で 津波 に のま れ まし た 。
 47高台 は 1960 年 の チリ地震 で は 、 津波 が 到達 せ ず 、 住民 から 安全 だ と 信じ られ 、 私 自身 も そう 思っ て い まし た 。
 48祖母 と は 直前 まで 仙台 で 食事 を 楽しん で い た の です 。
 49「 英莉 と 一緒 に いれ て 幸せ だ 」 。
 50笑顔 で こう 話し て くれ て い まし た 。
 51高台 から さらに 逃げ よう と し た 際 に つない だ 手 は 、 波 に のま れ た 衝撃 で 放し て しまい まし た 。
 52私 は 水 から 顔 を 出し た 後 、 近く の 木 に しがみつき まし た 。
 53祖母 は 数 日 後 、 遺体 で 見つかり まし た 。
 54住み慣れ た 地域 で 家族 と 普通 に ご飯 を 食べ られる こと の 大切さ に 、 震災 を通して 気付き まし た 。
 55私 の よう な 経験 は 誰 に も し て ほしく ない 。
 56地震 は いつ 起きる か 分から ない 。
 57津波 が 起き たら 、 言い伝え や 自分 の 考え を 過信 せ ず 、 できるだけ 高い 所 へ 避難 し て ください 。
 58< 椎井一意さん ( 64 ) = 東北電機製造社長 =
 59/ 正しい 情報収集 重要 >
 60会社 は 海岸線 から 約800 メートル の 場所 に あり まし た が 、 東日本大震災 が 起きる まで 地震 や 洪水 に は 備え て い て も 、 津波 へ の 対策 は ほとんど 考え て い ませ ん でし た 。
 61それでも 全社員 約300 人 が 助かっ た の は 、 早い 段階 で 「 40 分後 、 10 メートル の 津波 が 到達 」 との 情報 を 携帯ラジオ で 得 られ た ため だ と 思い ます 。
 62「 40 分 ある なら 逃げ られる 」 と 判断 し 、 徒歩 で の 内陸避難 を 指示 し まし た 。
 63社員 が 行列 を つくっ て 横断 し た 幹線道路 は 、 車 の 渋滞 が 起き て い まし た 。
 64社内マニュアル に 、 津波 を 想定 し た 対策 が 無かっ た にもかかわらず 、 社員 が 指示 に 従っ て くれ た こと は 幸い でし た 。
 65津波 が 予想時刻 より 早く 到達 し て いれ ば 、 犠牲 が 出 た かも しれ ませ ん 。
 66運 も あり ます が 、 災害時 の 企業対応 に は 正しい 情報 の 収集 と トップ の 素早い 判断 が 大事 だ と 、 震災 で 再認識 し まし た 。
 67工場 が 被災 し て も 、 社員 の 命 さえ 守れ れ ば 、 早期 の 業務再開 ・ 復興 に つなげる こと が できる の です 。
 68< 野田和好さん ( 45 ) = 石巻地区消防本部 =
 69/ 堅固 な 建物 も 探そ う >
 70震災当時 は 女川消防署 ( 宮城県 女川町 ) に 勤務 し て い まし た 。
 71海 から 50 メートル ほど に ある 2 階建て の 庁舎 でし た 。
 72地震 が 起き て 間もなく 、 濁流 が 庁舎 に 流れ込み まし た 。
 73同僚 と 急い で 階段 を 駆け上がり 、 地上 から 約16 メートル に ある アンテナ塔 に しがみつき まし た 。
 74水位 の 上昇 は 止まら ず 、 水面 に 投げ出さ れ まし た 。
 75津波 は 自転車 ほど の 速さ だっ た と 記憶 し て い ます 。
 76民家 の 屋根 に はい上がる など し て 、 2 キロ ほど 流さ れ た 所 で 建物 の 屋上 に 避難 でき まし た 。
 77屋上 に 逃げ て い た 住民 の 指摘 で 、 右太もも の の 出血 に 気付き まし た 。
 78冷たい 海水 で 痛み は 感じ なかっ た の です が 、 40 針 以上 を 縫う 大けが でし た 。
 79助け を 求め て 交代 で 笛 を 吹き 続ける と 、 同僚 が 駆け付け て くれ まし た 。
 80高台 へ の 避難 が 一番 です が 、 それ が でき ずに 建物 に 避難 する 可能性 が ある なら 、 堅固 な 建物 な の か 、 防寒 は 大丈夫 か など 、 事前 に 考え 、 最悪 の 事態 を 回避 す べき です 。
 81◎ 減災・復興支援機構理事長 木村拓郎さん
 82/ 「 より 遠く 高い 所 へ 」 基本 に
 83津波避難対策 は 地元 で すぐ に できる 当面 の 話 と 、 時間 の かかる 将来構想 を 分け て 考え て ほしい 。
 84当面 の 策 として は 「 より 遠く 高い 所 へ 」 を 基本 に 、 車 による 避難 が うまく できる よう 地域 で 具体的 に 話し合っ て おく こと が 大事 だ 。
 85要援護者 を 乗せる 優先車両 を 普段 から 決め て おき 、 誰 の 目 から 見 て も 分かる よう に ステッカー を 用意 し て は どう だろう 。
 86緊急時 に は 、 大型車 で 道路 を 遮断 し 、 内陸 へ の 避難路 を 確保 する こと も 考え られる 。
 87避難タワー の 建設 は 、 地元 だけ で は でき ない ので 、 行政 に 要望 を 続ける 必要 が ある 。
 88大きな 揺れ で 液状化現象 が 起きれ ば 車 で 逃げる こと は 難しく 、 歩い て 行ける タワー の 整備 を 真剣 に 考える べき だ 。
 89内陸 へ 避難 する ため に 国道 や 線路 を 横断 する ルート が 限ら れ て いる 。
 90内陸側 に ある 王子マテリア釧路工場 に対して 、 敷地内 に 避難ビル や タワー が 造れ ない か 協力 を 呼び掛け たり 、 車 が 線路 を 渡れる 踏切 を 増やす よう JR に 求め たり する こと も 検討 し て ほしい 。
 91これ で 100 パーセント 大丈夫 だ と 言える 防災 ・ 減災対策 は ない 。
 92確率 を 上げる ため 、 事前 に どれ だけ 努力 できる か が 大切 だ 。
 93大楽毛 は 防災意識 の 高い 地区 。
 94これ から も 危機感 を 持ち 、 諦め ず 、 さまざま な 対策 に 挑戦 し て ほしい 。